【タクシー運転手さんが内緒にしておきたい!】京都「驚きの名店」4選、地鶏・ジビエ・魚・贅沢ハンバーグ…
● 魚本来の本物のおいしさを堪能できる魚料理専門店 「魚料理あぎやお」は、魚本来の本物のおいしさを堪能できるカウンター10席のみの魚料理専門店。初訪問時に「途中で肉も食べたくなるかなぁ…」と思っていましたが、魚料理のそれぞれが巧みに調理法が異なり、風味付けや火入れの仕方も千変万化。とにかく飽きのこない新感覚の「おいしい魚とは何か」を教えてくれる貴重なお店なのです。 春に伺ったときの「初鰹」。藁(わら)でいぶした初鰹を淡路産新玉葱と共に。通常、魚の繊維を切るには横に切りますが、こちらは縦に切ることにより、もちっとした身質を感じます。シンプルとはいえ、3月に訪問したときの風味の記憶をいまだに思い出すほど印象深い料理でした。 そして、日本海で丁寧に手摘みされた岩もずくを出汁で炊いたものも秀逸。もずくの中でも歯ごたえがしっかりあるほうで、かむごとに海の風味がにじみ出てくる印象を受けましたし、コースの流れも見事なまでに構成されています。 秋から冬にかけてなら、立派な活けほっき貝を生きたままタレに漬け込み軽くあぶったものや、「ボラの焼き白子すし」「北海道産ぶりのフィレオフィッシュ」など旬の一皿が提供されます。四季の移り変わりをしっかり魚料理から感じられるすてきな空間です。 ■魚料理あぎやお 下京区東洞院通五条上ル深草町592-3
● 沖縄愛あふれる精緻な多皿構成 京都国際マンガミュージアムのすぐ近くにあるレストラン「KOKE(コケ)」には、今年9月に伺いました。スペイン料理がベースになっていますが、中村有作シェフの出身地である沖縄への愛が手に取るように伝わる、宮廷料理をほうふつとさせるメニュー構成になっています。 名店「カセント」がある神戸のK、出身地沖縄のO、京都のK、そしてスペイン(エスパーニャ)のEから「KOKE」という表現になったそうです。特筆すべきは「水と炭」に重きを置いていて、「井戸水」と「薪」と「備長炭」を巧みに操る点です。 伺った日は「七谷鴨」が絶妙なロゼで保たれ、うまみがしたたり落ちるというイメージが食べながら思い浮かびました。まあとにかく、納得の多皿構成で、次から次へと出てくるうまみと風味の連鎖を多種多様に体験することができます。発酵や乳化、浸透圧まで繊細にコントロールされた印象を受けました。 「Grouper スジアラ」は、お店に直送された宮古島漁師の伝統的な「電灯素潜り」により突かれたスジアラを備長炭で丁寧に火入れします。身の部分に自家製の塩麹(こうじ)をペーストにしたものを塗り、少し置いてから再び火入れ。トマトとニンニクのペースト、モロヘイヤを添えて、上から青トマト、クレソン、ワサビなどを使ったグリーンソースがかけられ、周りには柚子のオイル。極めてクリーミーで、甘味もわずかに存在。沖縄の風味、発酵系の柔らかなうまみが不思議なおいしさを感じさせてくれます。 温料理「Sweet shrimp 甘海老」は、北海道産甘海老に串打ちして、備長炭と薪で火入れ。白いソースは「すぐき」とココナッツミルクを加えたもの。スパイスソースは「バドバンマサラ」(フランスでミルポワと呼ぶ香味野菜)に加えて、エキゾチックな深みのある複数のスパイスを多く使いペーストにして1年間熟成させたもの。さらに、ハイビスカスと梅干しを漬けると出てくる梅酢を加えたものをソースに。国産キャビアとイクラが添えられます。非常に精緻な料理で、見た目以上に温かさを感じ、さじをすくうたびに味の変化するさまを楽しむことができます。 ■Restaurant KOKE(コケ) 京都市中京区蛸薬師287 ido 2F