史上4人目の日本人TED登壇者、285億調達ベンチャー・オイシイファームCEOが語るTEDの舞台裏
スーパープレゼン「TED Talk」の数々を生み出してきた、世界的な国際カンファレンス「TED」。 【全画像をみる】史上4人目の日本人TED登壇者、285億調達ベンチャー・オイシイファームCEOが語るTEDの舞台裏 40周年という節目の年を迎えた2024年、史上4人目の日本人として、アメリカ・ニューヨーク近郊を拠点に「日本のイチゴ」を生産・販売する植物工場スタートアップ、Oishii Farm(オイシイファーム)CEOの古賀大貴氏が登壇。「植物工場が起こすサスティナブルな農業革命」をテーマに行ったTED Talkは、日本でも大きな話題となった。 TEDで紡がれた縁もあり、オイシイファームはTED代表の投資家クリス・アンダーソン氏率いるサステナビリティファンド・Resilience Reserve(レジリエンス・リザーブ)をはじめとした国内外の計5社を引受先に、総額約30億円(1600万ドル)を調達、累計調達総額は285億円 (1億5000万ドル)に達したと発表している。 TEDの一般の参加料は最低1万2500ドル(約190万円)。しかも願書のようなレポートを提出して審査を通過した人しか聴衆としてさえ入れない。 選ばれた者たちにのみ開かれた世界的カンファレンスの舞台裏を、古賀氏に聞いた。
専属のキュレーターがフルタイムで人選
4月のバンクーバーには、春の訪れとともにTED参加者が世界各地から押し寄せる。 世界的企業のCEOや著名起業家など2000人近いスーパーエグゼクティブを前に、世界中から集められた選りすぐりのイノベーターたちが磨き上げたTED Talkを披露する。緊張と興奮の5日間だ。 2024年のTEDには79人が登壇した。TEDには「TEDxTokyo」などのようにライセンスを付与されたカンファレンス「TEDx」があり、世界各地で開催されている。ただ、バンクーバーで年に一度開かれる本家のTEDに登壇できるのは世界でもほんのひと握りに過ぎない。 「TEDには専属のキュレーターがいるんです。おそらく10人弱だと思いますが、その人たちはTEDに登壇するスピーカーを見つけるためだけに、1年中フルタイムで働いているそうです」(古賀氏)