自分の便で「オーバーブッキング」が発生!急用はないし譲ってもいいけど、座席の「グレードアップ」まで対応してもらえるのでしょうか?
オーバーブッキングの対応により、飛行機のビジネスクラスに乗れることは実際にあるのでしょうか。搭乗時にオーバーブッキングが発生したらどのようなことが起こるのかを解説します。 また、補償内容やアップグレードの可能性を高める方法もあわせて紹介します。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
オーバーブッキングとは?
オーバーブッキングとは、同じ航空便の席に対して予約が重複している「過剰予約」を意味します。一つの席に対して2人がチェックインしようとすると、片方が「搭乗拒否」されてしまうのです。 航空会社は当日キャンセル分を見越し、座席数よりも多い航空券を販売します。特にビジネスクラスを利用する客が多い大型機や中型機の路線では、オーバーブッキングは発生しやすい問題です。 オーバーブッキングに遭遇する確率を下げるためには、早めにチェックインすることが効果的であるといわれています。また、旅行代理店などを通じて購入した航空券は、オーバーブッキングのリスクが高くなることがあります。 国土交通省が公開している「令和5年度国内輸送実績」によると、2024年1月~3月に発生した不足座席数は1107席です。不足座席数の割合は1万人あたり0.53人と、発生頻度は比較的少ないものの、オーバーブッキングは発生していることが分かります。
オーバーブッキングになるとどうなる?
オーバーブッキングが発生した際、航空会社はどのように対応するかを解説します。もしも予約した航空券がエコノミークラスだった場合、航空会社はビジネスクラスなど、ほかのクラスに空席があるかを確認します。 もしも空席がある場合には振り替えられるでしょう。その結果、席が無料でアップグレードされます。 同じ便に空席がない場合、まず同日の同じ航空会社の別便に航空券が変更され、同日の変更ができない場合には、翌日以降の便へと変更されます。その際、宿泊費や食事などの経費がかかるのであれば、航空会社が負担するのが通例でしょう。
フレックストラベラー制度とは
大手航空会社では、オーバーブッキングにより座席数が不足した場合、航空会社から便の変更を搭乗客へ依頼する「フレックストラベラー制度」を設けていることもあるようです。 この制度は、航空会社が自主的に協力してくれた乗客に対して代替交通手段を用意し、さらに協力金またはマイルが支払われます。ちなみに、出発日が翌日以降になった場合、宿泊費や宿泊先までの往復交通費も負担してもらえる可能性もあるでしょう。 ただし、どの航空会社でも採用している制度ではない点に注意が必要です。特に海外ではオーバーブッキングが発生した場合、航空会社によっては、乗客に降りることを強制する権利を規約として定めているところもあります。 なお、オーバーブッキングで世界中に報道された事件の影響により、乗客への補償金額を最大1万ドル(約150万円)まで引き上げている航空会社もあるようです。