史上4人目の日本人TED登壇者、285億調達ベンチャー・オイシイファームCEOが語るTEDの舞台裏
参加者の多くは常連で同窓会の雰囲気
TED初日の2024年4月15日。会場のバンクーバー・コンベンション・センターは、1800人を超える聴衆で熱気に満ちていた。 「聴衆の多くはTEDの常連で、世界的に有名な企業の経営者や成功者ばかり。昼間は会場でドリンクを飲みながら歓談し、夜になるとあちこちでパーティが開かれその日のTED Talkについて語り合う。みんな毎年TEDに来るのを楽しみにしていて、同窓会のような雰囲気を感じました」 だが、自分の登壇まで気が気ではなかった古賀氏は、パーティに参加する余裕もなかった。 先輩スピーカーから「あのアル・ゴアも緊張していたくらいだから、自分が緊張するのは当たり前だと思って吹っ切れた」とエールを送られた。しかし、頭が真っ白になって壇上で立ち尽くす人もいるという。緊張は増すばかりだった。
いざステージに上ってみたら「楽しんで話せた」
そうして迎えた登壇の日。「五分五分くらいの確率で、ステージ上で気絶して伝説に残るんじゃないか」と思うくらい緊張していたが、ステージに立つと一変した。 「いざステージに上がってみたら不思議なくらい冷静になれた。観客のリアクションも楽しめるほど余裕を持って話すことができたんです」 プレゼンが終わり、観衆から盛大なスタンディングオベーションを受けた古賀氏。ほっとして気が抜ける一方で、参加者から声をかけられることも多くなっていったという。
湯田陽子