名医・小林弘幸が<SNSは自律神経を乱す最大の元凶>と断言するワケ。「自分を乱れさせないためには、他人をアテにせず期待しないのが一番」
◆SNSは「自律神経を乱す最大の元凶」 すなわち、SNSは「自律神経を乱す最大の元凶」と言ってもいいくらいのツールなのです。 「他人の言動」はコントロールできませんし、決して自分の思い通りになってはくれません。しかも、SNSでは相手の顔すら見えないことも多い。そんな制御不能の大勢の他人たちに日夜振り回されていては、自律神経がガタガタに乱れてしまうのも当たり前です。 SNSヘビーユーザーの中には、悩みやストレスをためすぎてメンタルを病んでしまう人も多いようですが、私はそうなってしまうのも当然という気がしています。 もっとも、そういった実情はあるとはいえ、私はSNSの利用自体を否定するつもりはありません。 情報収集のツールとしても、あるいは友人や仲間との連絡ツールとしても、SNSはすでに私たちの暮らしに欠かせないものになってしまっています。どんなに自律神経をかき乱すものだとしても、利用すること自体をやめろというのは非現実的でしょう。 それに、じつは私自身もインスタグラムをやっていて、けっこうハマッているのです。街角で出合った風景や心に残った風景をスマホで撮影して、その中の出来映えのいい写真を投稿しているのです。 私の場合、単に投稿しているだけで、書き込みをしたり、レスを返したりはしません。いまの距離感を保って、いま以上に深入りするのはよそうと思っています。でも、この写真撮影とインスタ投稿に時間を費やすようになってからというもの、心なしか日々のストレスが軽くなり、生活に充実感や潤いを感じられるようになったという気がします。 ですから、SNSにもプラスになる面があるのです。SNSを利用する人は、「自分にとってプラスになる面」と「自分にとってマイナスになる面」を十分理解したうえで、自分のためによい面だけを切り取って使っていく必要があるのではないでしょうか。
◆自分なりのSNSルールを設定して流されないようにしておく 私は、自律神経を乱れさせることなくSNSとつき合っていくには、やはり自分を律して、「ここまではやるけれど、これ以上はやらない」という自分なりの行動ルールを決めておく必要があると感じています。 たとえば、よく炎上騒ぎを起こしている芸能人などは、エゴサーチもしないし、自分に関する批判的な書き込みなども一切見ないと言います。そういう態度を決めておくのもひとつのルールでしょう。言わば、必要以上に自分を乱さないように、「見ざる・言わざる・聞かざる」のうちの「見ざる」を徹底しているわけですね。 また、SNSをやるにしても「評価は求めない」「評価されるのを期待しない」と自分の中でルール化しておくのもいいと思います。 自分を乱れさせないためには、他人をアテにせず、期待しないようにしておくのが一番。ヘンに期待をかけたり高い評価を求めたりするから、当てが外れたり裏切られたと思ったときにショックが大きくなるのです。 最初から評価を求めず、期待もせず、“まあ、こんなものだろう”と思っていれば、動揺したり振り回されたりするのを防ぐことができるでしょう。
【関連記事】
- よい行いをしている人が、がんなどで亡くなるケースを多く見てきた医師・小林弘幸「善行を積めばいつか報われるなんて簡単に言えない。それでも…」
- 名医・小林弘幸が「朝起きたらカーテンを開けて伸びをする」までを習慣にしているワケ。心と体を整える<おてんとうさま>の力を解説
- 医師・小林弘幸が考えるボランティア論「そもそも向いている人と向いてない人がいるのも事実。できることを見出したうえで貢献することが重要」
- 小林弘幸 人生は結局「不遇な時期をどう過ごすか」で差がつく。流れが悪いときほど大石内蔵助のように「こっそり、ひっそり準備」が正しい【2024年上半期BEST】
- 「イライラする」「気分が落ち込む」《不機嫌》をもたらす原因とは?自律神経の専門医が教える、上機嫌で過ごすためのヒント