定年退職に向けて、貯蓄を運用に回す理想の割合は?
資産運用の見直しとご提案
総資産 約3,008万円(2024年5月現在) A 銀行預金 約1,800万円 →うち960万円をNISA成長投資枠の資金に充てる。 B iDeCo(S&P500) 約95万円 C NISA成長投資枠(バランスファンド) 約260万円 →現在の証券会社窓口でのNISA口座を商品数の多いネット証券に移管し、別のバランスファンドに変更しては。株式と債券で「攻めと守り」を考えた資産配分が可能に。年間240万円×4年=960万円 銘柄例: ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) 国内と先進国の株式と債券に各約25%ずつ投資している銘柄。 銘柄例:DCインデックスバランス(株式60) 国内・海外株式60%、国内・海外債券40%の組み入れ比率で4つの資産に投資を行なう銘柄。 D 旧一般NISA(テクノロジー株式ファンド・25年満期) 約153万円 →満期後、NISA成長投資枠で類似する投資信託やETFに変更しても良い。その場合、Cの960万円の枠から150万円を使う。 銘柄例:楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンドやiシェアーズ グローバル・テクノロジー ETF(IXN) E 債券(社債・29年満期) 300万円 →満期後、同じ企業もしくは別企業の社債に再投資を検討しては。高い格付けのある企業であれば、株式投資よりもローリスクの運用が可能に。 F 年金保険(29年満期) 200万円 G 終身保険(29年満期) 200万円 →FもGも解約金が発生するため満期まで継続。満期後は現預金として保管し、相場の状況を見ながら投資に充てるかどうか検討を。 ▼新規ご提案 H NISAつみたて投資枠 600万円 →毎月銀行預金にしている10万円をバランスファンド、もしくは全世界株式やS&P500の投資信託へ。月10万円×5年=600万円
定年までの期間は10年から15年、リスクの高い投資は大きな損失を招く可能性があり、リカバリーの時間も限られます。そのため、「攻めと守りのバランスを考えた資産配分」が重要です。おすすめは、一般的に低リスクで安定している「債券」と、高いリターンを期待できる「株式」を組み合わせた資産のポートフォリオです。ただ、定年が近いからといって債券の割合を大きくすると、トータルのリターンが低くなる可能性が高いのでもったいないです。債券40%、株式60%くらいが理想ではないでしょうか。徐々に債券の比率を増やしてリスクを軽減しましょう。 生活防衛費を考慮しても、総資産のうち1,500万円は投資に回せそうですが、51歳という年齢を考えると、1,000万円程度の運用が適切だと思います。銀行預金のうち960万円をNISAの投資資金に充てると良いでしょう。なるべく早めに手数料が高い証券会社を解約して、楽天証券やSBI証券で購入できるバランスファンドに変更するのが良い選択です。バランスファンドは、株式と債券の両方を組み込んでいるため、分散投資が可能。最短5年でつみたてNISA枠を使い切ることを目標とするなら、毎月銀行預金に回している10万円をそのままNISAのつみたて投資枠へ充てると良いと思います。その他、現在の投資に関する見直し案は、上記「資産運用の見直しとご提案」の図で詳しく説明していますので、そちらをご確認くださいね。 バランスファンドとは? バランスファンドとは、株式や債券など複数の資産を組み合わせた投資信託のことです。株式で構成されるS&P500やオールカントリーなどの投資信託と異なり、ひとつの投資信託を購入するだけで、株式以外の資産にも分散投資できるところが特徴。ハイリスク・ハイリターンの株式と、ローリスク・ローリターンの債権などを組み合わせることでリスクとリターンのバランスを調整します。バランスファンドの種類は、リスクを抑えたもの(債券の比率が高いもの)から、リターンを追求するもの(株式の比率が高いもの)まで、さまざまな投資方針があります。投資家は自分のリスク許容度や投資目的に合わせて選択できます。 【免責事項】 この記事や情報は、特定の銘柄への投資を推奨または勧誘するものではなく、あくまで参考情報であり、将来の成果を示唆、あるいは保証するものではありません。 投資には信用リスク、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスクなどが存在します、商品を購入または投資する際には、各金融機関の提供情報を必ず確認し、自己責任でご判断ください。 掲載記事や情報に基づいて生じた損害について、当サイトは責任を負いません。
text: Yoko Sueyoshi