「3無」の韓国捜査当局…準備もなく令状、意志もなく退却、責任もなく警察に一任
検察と警察から「12・3内乱事件」を引き受けた高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は、3日に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の逮捕に失敗した後、逮捕状執行を警察に一方的に任せようとしたが、警察に拒否され撤回する混乱を自ら招いた。捜査経験と能力の足りない公捜処が欲をかきすぎたという批判が固まっている。 これに先立ち、検察は非常戒厳宣布から2日後の先月5日、キム・ヨンヒョン前国防部長官を出国禁止することで本格的な捜査に着手し、内乱の中心容疑者のキム前長官を拘束した。警察も検察とほぼ同じ時期に捜査をはじめ、組職のトップであるチョ・ジホ警察庁長とキム・ボンシク・ソウル警察庁長を拘束し、内乱に加担した事実を確認した。 公捜処は先月8日、遅れて内乱捜査に着手し、公捜処法条項に基づいて検察と警察に事件の移牒を求めた。結局、警察は尹大統領など5人の事件を、検察は尹大統領など2人の事件を公捜処に引き渡した。内乱の首謀者である尹大統領を公捜処が捜査できるようになったのだ。検察がヨ・インヒョン、イ・ジヌ、クァク・チョングン前司令官、パク・アンス陸軍参謀総長など軍指揮官を拘束することで、事件の全容をより具体化し、警察と共助捜査本部を設けた公捜処は尹大統領の捜査に集中できる状況になった。 しかし3日、尹大統領の逮捕に失敗したことで、戦略と捜査意志が足りないという激しい批判に直面した。イ・ジェスン公捜処次長は6日、警察に逮捕状執行を一任するという会見を開き、「(逮捕状の)1次執行の時、そこまで強く抵抗されるとは思わなかった。当然、(警護処が)協力すると期待していた」と述べ、逮捕状執行当時の安易な状況認識を露呈した。さらに「今の状況で(公捜処)職員を全員動員しても50人だが、その中で(逮捕状の執行に)行ける人は最大30人だ。また、彼らが執行に実質的に役立つとは思わない」とし、警察に逮捕状の執行を要請する理由を説明した。1次執行の失敗後にようやく公捜処の限界を痛感したという話だ。 「参与連帯」は同日、声明を発表し「きちんとした準備もなく令状の執行に乗り出して、半日で執行をあきらめたことで、非難を買ったのに、今度は逮捕状の執行を放棄するという」とし、「公捜処の無責任な行動を強く糾弾する」と述べた。ある現職の部長検事は「警察に事件を移牒し、今後起訴段階の時に検察に渡した方が望ましい」と語った。検察幹部出身の弁護士は「公捜処長が雪に降られながら官邸前で数時間を待ってでも、最善を尽くす姿を見せるべきだった。国民が皆逮捕を待っているのに、いきなり『警察に一任する』というのは責任ある機関の態度ではない」と批判した。 チョン・ヘミン、クァク・チンサン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )