ビラップスHC(左)は新加入のアブディヤ(右)について「非常に貴重な選手」と語った。(C)Getty Images

　2024年のバスケットボール殿堂入り式典は、現地時間10月13日（日本時間14日、日付は以下同）にマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで開催される。 【動画】“ミスター・ビッグショット”ビラップスのキャリアTOP10プレーはこちら！ 　今年はヴィンス・カーター（元トロント・ラプターズほか）やマイケル・クーパー（元ロサンゼルス・レイカーズ）、ウォルター・デイビス（元フェニックス・サンズほか）らとともに、チャンシー・ビラップス（元デトロイト・ピストンズほか）が殿堂入りを果たす。 　ビラップスは1997年のドラフト全体３位でボストン・セルティックスから指名されるも、１年目のシーズン途中にラプターズへトレードされ、1999年１月にも３チーム間トレードでデンバー・ナゲッツへ移籍するなど、上位指名ながら若手時代はチームを転々としていた。 　それでも、ポイントガードでは強靭なフィジカルと確かなスキルを持っていたビラップスはミネソタ・ティンバーウルブズでチャンスをモノにし、ピストンズへ入団した2002－03シーズンから不動のスタメンに。抜群の勝負強さから“ミスター・ビッグショット”の異名を取り、リーグ有数の司令塔へ飛躍を遂げた。 　 　当時のピストンズはリーダー格ビラップスの周囲にリチャード・ハミルトン、ベン・ウォーレス、ラシード・ウォーレス、テイショーン・プリンスを配置し、名将ラリー・ブラウンHC（ヘッドコーチ）が指揮を執った2003－04、2004－05シーズンに２年連続でNBAファイナル進出。2004年には球団史上３度目のリーグ制覇を達成し、ビラップスがファイナルMVPに輝いた。 　17年間のキャリアでレギュラーシーズン通算1043試合へ出場したビラップスは、平均15.2点、2.9リバウンド、5.4アシストに３ポイント成功率38.7％（平均1.8本成功）、フリースロー成功率89.4％（NBA歴代７位）を残したほか、５度のオールスター、３度のオールNBAチーム、２度のオールディフェンシブチーム入りを飾った。 　現役引退後は2020－21シーズンにロサンゼルス・クリッパーズでアシスタントコーチ（AC）、翌シーズンから現在までポートランド・トレイルブレイザーズのHCを務めている。ただ、昨季までの３シーズンでチームはいずれもプレーオフから遠ざかり、昨季はウエスタン・カンファレンス最下位の21勝61敗（勝率25.6％）へ低迷した。 　これを受け、フロントは今年のドラフト１巡目７位でセンターのドノバン・クリンガン、マルコム・ブログドンを絡めたトレードでワシントン・ウィザーズからデニ・アブディヤを獲得。 　23歳のアブディヤは、キャリア４年目の昨季いずれも自己最高の平均30.1分、14.7点、7.2リバウンド、3.8アシスト、フィールドゴール成功率50.6％、３ポイント成功率37.4％（平均1.2本成功）を残した注目の若手で、新天地では先発起用が予想されている。