世界パラ陸上 日本勢は計21個のメダル獲得も金メダルはゼロ
また、上肢障害F46の女子砲丸投げは、前回大会3位の齋藤由希子(SMBC日興証券)が2投目で今季ベストの11m72を記録し、銅メダルを獲得した。5投目まで2位につけていたが、最後の一投でニュージーランドの選手に逆転を許した。5月上旬に右脚を痛めた影響もあって目標の12mには届かず、「力不足だった、悔しい」と振り返り、パリ大会までに投擲の精度を上げることを誓っていた。 車いすT34の女子100mで小野寺萌恵(北海道・東北パラ陸協)、視覚障害T13の200mで佐々木真菜(東邦銀行)が3位に入った。
アルペンスキーの世界女王で、夏・冬二刀流に挑んでいる村岡桃佳(トヨタ自動車)は、車いすT54の女子100m決勝で6位、同800m決勝で4位。今大会でのパリ大会の出場枠は得られなかった。今後は選考対象レースが限られるなか国内外の大会に出場し、記録更新を目指すことを明かした。
男子は川上、大島が新たにパリ大会の出場枠を獲得
男子でも2人が新たにパリ大会の出場枠を獲得した。世界選手権初出場の川上秀太(アスピカ)は、視覚障害T13の男子100m決勝で10秒70のアジア新記録を樹立。銀メダルを獲得してパリ行き切符をつかみ取り、「ようやくパラリンピックのスタートラインに立てた」、と安堵の表情を見せていた。 そして、もう一人が義足のスプリンター・大島健吾(名古屋学院大学AC)だ。大島は、最終日に行われた片下腿義足T64の男子200m決勝で23秒13の自己ベストで2位に入った。スムーズなスタートからコーナーでの加速につなぐテクニカルな走りを披露。大島は「東京パラリンピックで海外の選手との差を痛感して、義足と走りを変えて臨んだ3年間だった。パリまでにもっとタイムを上げていきたい」と、力強く語った。 前回大会で4位入賞を果たし、すでにパリ大会出場枠を獲得している若手選手も奮起した。24歳・石山大輝(順天堂大)は、視覚障害T12の男子走幅跳で7m08を跳び、銀メダルを獲得。自身が持つ日本記録を1センチ更新し、「べらぼうに嬉しい。120%の力を出せた」と笑顔を見せた。