4度の逆プロポーズ「私が幸せにしてあげたい」でキム兄と結ばれた西方凌 不妊治療中は「周囲の妊娠をうらやましく思った」と本音も
──「凌」というお名前も、木村さんが名づけられたんですよね。 西方さん:そうです。女優としてスタートする初めての作品だったので、芸名も考えてもらうという話になって。「凌ぐ」という漢字なので、「しのぎを削っていい女優さんになっていってほしいという意味を込めた」と言っていました。
■厳しかった監督に惚れて「私から4回プロポーズ」 ── 映画に出演するなかで、いつごろ恋愛に発展したのでしょうか? 西方さん:監督として、彼は私には特に厳しかったんですよ。のちに聞くと、その厳しさは無名で突然、抜擢された私が「監督のひいきではない」ということを示すための配慮だったようなのですが、当時は背景を知らなかったので、現場で怒鳴られて毎晩のようにホテルでひとりで泣くということを繰り返していました。嫌いではなかったけれど、好きになるわけがない状況でした。
ただ、ほかの俳優さんと一緒に食事へ連れて行ってくれたときに、彼が「いろいろな女優さんがいるけど、10人が見てたら10人を惚れさせるような女優さんになってほしいよ」と話してくれて。「あー、そこまで考えきれてなかったな。みんなを魅了する人になろう」と気持ちを新たにして、その後も厳しい撮影現場を重ねたんですね。いよいよ私にとって最後のシーンを撮るというときに、監督が「ちょっと待って!」と現場を止めて。むこうからこちらへ歩いてきたので、また注意されるのかなと思った次の瞬間、彼が耳元で「あとひとりやぞ」とささやいたんです。そのときに、今まで厳しかったことの意味がすべて理解できて、惚れました(笑)。
ところが、その後も彼は監督業で忙しい日々。当然連絡も来ないので、なんとかこちらからのメールで繋ぎつつ、時間を作ってもらってふたりで食事に行ったりしていました。そんなふうにだんだんと打ち解けていった数か月後、彼が家の合鍵を渡してくれたんです。その合鍵をあえて受け取らなかったことが彼の心をくすぐったみたいで、おつき合いをすることになりました。そこに至るまで1度も手を出されなかったことも、真面目で紳士的だなあと好印象でしたね。