「仕事帰りのスーツ着た男が、トイレットペーパーなんて、買えるかっ!」と言った夫が定年を迎えた。家事を手伝ってくれるようになり、言われたことは…
◆今後病院へ通院するときは… また。 夫婦あわせて月に何回も病院に通っている、これもなあ。 以前、義父母の介護の為に大阪に通っている時は、義父母の様々な病院通いの付き添いが本当に大変で(だって一々東京から大阪にまで行かなきゃいけないんだよ)、また、自分の親の介護を手伝っている時には(こちらは、妹が介護をしてくれていた)、「何でこんなに病院へ?」って付き添いの度に思っていたんですが……ある程度年をとってしまい、持病が複数あると、もう、絶対にこうなってしまうんだ。 このお話書きながら、「昔、病院へ通う親の付き添いが本当に面倒だったなー」って思っていた自分を、只今、反省しております。 今の処、旦那も私も、(旦那は私の付き添いをしてくれるし、私は旦那の付き添いをしている)、第三者の介助なしで通院をしておりますが、いずれ、私が旦那の付き添いをできなくなったり、旦那が私の付き添いをできなくなったら、第三者の付き添いが必要になるのでは? ……まあ……そういう日が、遠くであることを、只今の私は祈っております。 ※本稿は、『定年物語』(中央公論新社)の一部を再編集したものです
新井素子