過熱する中学受験で、注目を集める「公立中高一貫校」現役塾講師が明かす“メリット”と“やってはいけないこと”
公立中高一貫校受検という選択肢
2024年度首都圏の中学受験率は22.7%と過去最高を記録しました。中学受験というと私立中学の受験がまずは思い浮かばれると思いますが、最近だと「公立中高一貫校」の受検という選択肢にも注目が集まっています。では、私立の受験と公立の受検とはなにが違うのでしょうか? 【意外と見落としてる!?】賢い子に育てたいなら…一級建築士が提言する「子ども部屋」でやってはいけないこと そこで今回は、X(旧Twitter)で4.6万人のフォロワーに支持される、現役塾講師であり教育系インフルエンサーの東田高志の書籍『中学受験をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』の中から、公立中高一貫校のメリットというトピックをご紹介します。 公立中高一貫校を目指すと決めた時の為に、入試に向けた“正しい学習法”も徹底解説されていますので、どうぞ子どもの選択肢を広げるための、参考にしてみていただければと思います。
公立中高一貫校のメリット
中学受験の話題で欠かせないのが公立の中高一貫校です。 高校受験の一本道だった公立ルートに、公立中高一貫校というオプションが生まれました。私のもとにも、「高校受験ルートを考えているが、公立中高一貫校を受けてみるのはどうか」という質問がよく寄せられます。 東京都で最初の公立中高一貫校が誕生したのは2005年のことでした。それ以降、千代田区立九段中等教育学校を含む11校が設立されました。開校当初は「未知数」とされていた公立中高一貫校も、今ではすっかり進学校としての地位が定着したようです。 公立中高一貫校のメリットを整理しておきましょう。 誰もが指摘するメリットは、費用の安さです。入学金や授業料を安く抑えることができるため、私立中高一貫校と比べて3分の1程度まで総額費用を抑えることができるといわれています。東京都の場合、都立生向け長期留学制度の「次世代リーダー育成道場」に中学3年から参加できることも見逃せません。 また、私立中学受験と比べて、受験準備が短くても合格できる可能性があります。私立中学受験は、小学校3年生の2月スタートの「3カ年計画」です。それに対して、公立中高一貫校は小学5、6年生から本格的な勉強を開始するのが普通で、私立中学受験では間に合わないとされる時期からの勉強でも、出遅れ感がありません。