【更年期のセルフケア】デリケートゾーンが痒い、ひりつく、軟膏を塗る前にすることは 老けないための「更年期から始めるシニアケア」
更年期からアフター更年期にかけての悩みのひとつ、デリケートゾーンのケア。オーガニックビューティの第一人者として知られ、更年期の健康、美容について多角的に発信している吉川千明さんが、気をつけるべきことを教えてくれた。
「老化とは、痛めること。傷つけないことが、老化予防につながります。 本日は、シニアになってからでは遅すぎるデリケートゾーンケアの基本の”基” その1)絶対にやらないで欲しいこと。 その2)これだけはやって欲しいこと。 について書きました。ぜひ、読んでみてください。 ここでは、外陰部のことをデリケートゾーンと呼ぶことにします」(吉川さん) ◆まず、デリケートゾーンの痒みの原因は何だろう? いくつかあると吉川さん。 ●感染や菌の増殖によるもの。 「カンジタの増殖による膣炎や細菌性の膣炎、性感染症による膣炎などがあります。おりものが増え、外陰部に痒みが出て、ただれたり致します。もちろん、このようなときには、治療が必要になりますが、この時も『菌』が原因と言って、カタキのように、ゴシゴシ、石鹸のようなもので洗っていては、外陰部の粘膜と皮膚のバリアは崩れ、さらに状態はひどいことになってしまいます」 ●そして痒みの原因NO.1は「女性ホルモンの減少」 「40代、50代、60代、70代とそれ以降のほとんどの皆様の痒みの原因は「乾燥」。女性ホルモンのエストロゲンは、肌、粘膜の潤いを保っています。40代に入ると女性ホルモンは急激に低下します。外陰部、デリケートゾーンも急激に乾燥し、痒みを引き起こします。皆さんに起こることです。 自分の体が変わる時期。毎日の習慣を見直す時です。放って置いても良くはならず、悪くなる一方です」
その1)絶対にやらないで欲しいこと
「顔用、ボディ用、髪用、浴用の石鹸やソープ、洗浄剤でデリケートゾーンを洗わないでください。洗ってはいけません。髪用とはシャンプーのことです。 どんなに高価なものでもダメ。赤ちゃん用でもダメ。敏感肌用でもダメ。自然派でもダメ。乾燥し、皮がむけてしまいます。乾燥し、バリアが壊れ、痒みが出て参ります。乾燥し、寝ている間に掻きむしり、ひりつきの原因を作ってしまいます。こうした代用品で洗うなら、まだ洗わない方が良いくらいです」 ◆デリケートゾーンは皮膚と粘膜が入り組んだ場所 「デリケートゾーンは皮膚と粘膜が入り混じった繊細で、複雑な場所です。大陰唇は皮膚ですが、内側は粘膜に近い。小陰唇は粘膜。陰核、クリトリスの内側は粘膜ですが、外側は皮膚組織。膣口は粘膜で、粘液で潤し、膣内を守っています。小陰唇などはとても薄く、血管が透けて見えるほどです。複雑~」 ◆赤ちゃん用でもダメな理由 「pHが全く違うのです。アルカリに偏っていくと、肌のバリアは緩みます。顔、ボディはpH4.5~6の弱酸性。乾燥している場所と皮脂がよく出る場所でp Hが違うのです。 それに対して、デリケートゾーン、外陰部はpH5前後、膣内と膣口はpH4前後。内側に向かうほど、潤いと酸性度を高め、バリアを築いています。顔、ボディ、髪には優しい弱酸性のp Hでも、デリケートゾーンにとってはバリアを壊し、乾燥と痒みの原因になります。 赤ちゃん用、ベビー用の製品は無香料や配慮のある処方が多いのは良いのですが、大人用と同じ弱酸性。女性のデリケートゾーンを洗うには、適していません」 ◆純石鹸、石鹸は正真正銘であるほど全くデリケートゾーンには不向き 「体も髪も洗え、なんだったらお皿も洗えるような純石鹸。自然食品店で売っているような石鹸の原型、元祖石鹸のようなものがありますが、デリケートゾーンには全く向きません。それ自体が悪いのではありません。用途が違うのです。石鹸は純であれば、本来、アルカリ性です。陰部は皮がむけてしまいます。 乾燥や痒みで困っている人に多いのは、わざわざの『純石鹸』で、デリケートゾーンをガシガシ洗っていること。準じて、真白な香りたっぷりの浴用石鹸で洗っている人もいます。真面目に、良かれと思ってやっていることが、陰部に血まみれの状態を引き起こしていることがよくあります」