ヘビー級見送りに激怒 石田「もういいですよ」
世界の超一流と戦ってきたプライドがある
ラスベガスのMGMグランドのリングで、当時、WBO世界ミドル級4位だった期待のホープ、ジェームス・カークランド(アメリカ)を1ラウンドに3度キャンバスに這わせる世紀の番狂わせを起こし、現在のミドル級最強と呼ばれているゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とも、世界戦のリングで拳を交えた。 38歳になったと言えども、世界の超一流と戦ってきた経験とプライドがある。肉体改造が未完成の段階でのテストスパーの内容は、悪かったかもしれないが、スピードと技術には問題はなく、もし他の日本ランカーとの試合を想定するならば、間違いなく石田が勝利するだろう。 京太郎とのタイトル戦も石田勝利を予想する関係者は少なくなかった。しかし、JBCが主導を取るランキング委員会は、そういう「肉体がヘビー化できたら」という“見込み”を許さなかったようである。
”失格のらく印”に石田の怒りは収まらない
「20キロも上のヘビーに挑戦することに対して“ボクシングを舐めている”と批判的な人がいるのでしょうか。僕も生活を賭けているんです。京太郎君にも、勝機がなければ挑戦しようとはしません。スパーの映像をちゃんと見てくれたのでしょうか。効かされたパンチはひとつもありませんよ。1回に当たったとされている左フックもクリーンヒットしていませんから。本当に、今回の決定には理解に苦しみます」 ヘビー級失格のらく印を押された石田の怒りは収まりそうにない。 JBCが56年ぶりに日本にヘビー級タイトルを復活させたのは夢のある仕掛けだと思っていた。K-1から転向してきた京太郎ありきのヘビー級の復活劇だったが、ボクシングは、相手がいなければ成り立たない。結局、タイトルを復活させたのはいいが、ランキングボクサーが3人で、しかも、そのうち2人が事実上、活動を停止しているという有様。見通しが甘く、早くも消滅危機にあったヘビー級戦線にミドル級から元暫定世界王者が参戦してきたのだから、もう少し後先を考えた処理の仕方はなかったものか。