【解説】少数与党で一変 国会の“新たな景色”とは? 野党に譲歩し…補正予算が成立見通し
鈴江キャスター 「そして3つ目ですが、譲歩した結果、財源はどうなるのでしょうか?」 平本記者 「補正予算はなんとか成立するめどがたちましたが、新たな財源の問題が浮き彫りになっています。財務省関係者からは『少数与党国会ならではの新たなばらまきだ』と言っていますし、ある立憲民主党の幹部は『野党の政策を丸のみするのはいいが、財源はどうするんだ』と批判しています」 「この補正予算案は、物価高対策で電気・ガス料金の補助や低所得世帯への給付金などが盛り込まれた、私たちの生活に影響が出る大事なものです」 「与野党決裂で『政治空白』の危険性も心配された中、まずは一致点を見いだしたこと自体は評価していいと思います。ただ、表からは見えにくい課題がたくさんあります」 「新たな“ばらまき”とも揶揄(やゆ)される中での財源をどうするのか。“103万円の壁”などの引き上げ幅などは継続協議となっています。さらに、この臨時国会での次の焦点は、政治資金規正法の改正案で合意点を探れるか、です」 「ある政府関係者は『妥協しないと政府与党は前に進まないが、妥協すればするほど、次に切るカードがなくなる』と、苦しい胸の内を語っています」 「最初のハードルはなんとか突破した石破首相ですが、苦しい局面はまだ続くと思います」 鈴江キャスター 「多数を占める野党側にも、政策の提言とセットで財源も提示する責任があるのではないかと思うのですが」 平本記者 「その通りだと思います。すでに野党の中には財源について提案している場面も見えました。ただ今後は、野党がもし政策提言するのであれば、今の予算の中で『この政策は必要ないからこれだけの財源をうめるのだ』と、そういった積極的な提案は、これからさらに野党側にも問われてくる責任だと思います」 (12月12日午後5時10分ごろ放送『news every.』より)