フランス戦の経験、スカウティングの奏功、選手の工夫…“準備徹底”で南米王者パラグアイを支配、関根「次もいい準備を」
[7.24 パリ五輪GL第1節 U-23日本 5-0 U-23パラグアイ ボルドー] 【写真】伊東純也がイメチェン「やっぱこうでなくちゃ」「カッコいい」 対策がハマった試合となった。U-23日本代表はパリオリンピック初戦で南米王者パラグアイに勝利。五輪で5得点は日本史上最多の得点になった。DF関根大輝(柏)は「スコアはすごくよかったけど、相手も1人少なかった。次も勝たないと意味がないので、スコアも切り替えて次の試合にいい準備をしたい」と振り返った。 前半を半分終えたところで相手が1人退場。数的優位に立ったという理由はあれど、危なげなく90分を終えた。事前の準備が効いたと、関根は明かす。 「まずスカウティングで(相手は)前線にラフなボールを蹴ってきて、そのこぼれを(拾う)という情報があった。自分はセカンドボールを特に意識したけど、真ん中の2枚が全部競り合いで勝ってくれていた。ボランチも全部ボールを拾ってくれて、全部マイボールという形になったので、11対11のときも優位にゲームを進められた要因だと思う」 パラグアイは4-4-2のブロックを高めの位置に敷き、日本と近い距離でプレスを敢行。日本のボール保持者に対してプレスを仕掛けてきたが、最終ラインと中盤が冷静に対処する。「プレススピードもフランス戦を経験した上だったので問題なかった」(関根)。17日、初戦前最後のテストマッチで優勝候補フランスと対戦。強度あるプレスにビルドアップで苦戦する場面もあったが、本番に生きる形となった。 ビルドアップを円滑にするために、4バックの右SB関根は工夫を入れた。右CB高井幸大からのパスコースを作るべく「最初は自陣であまり高い位置を取らないようにした」。また、右ウイングへのパスが容易に通ったことも上がらない理由になった。「ウイングが簡単に受けれたので、そこに食いついてきた背後を狙おうとした」。左SB大畑歩夢を上がらせるために、高さのある関根が3バック気味にスライドする意図もあったという。 個の部分では、FWフリオ・エンシソ(ブライトン)を自由にさせなかった。相手の前線選手は巧みに動き回り、自チームのボールホルダーの位置をかく乱。それでも関根は「とにかく相手の動きをしっかり見分けることができた。動きがすごく流動的だったけど、そういうところは苦にせずうまく対応できた」と手応えを口にした。 攻守ともに積み上げてきたものが奏功している。攻撃はPAの左右“ポケット”に入り込む戦い方が浸透。個の力に加え、“ポケット”に入り込むタイミングの精度は高い。守備は関根の言葉が戦術の充実度を感じさせた。 関根は何度も「準備」を口にした。「すぐ試合が来るのでまた明日からいい準備をする」「次の準備期間は短いけど、この後からすぐにいい準備をしていきたい」。快勝にも慢心なく、27日の次戦マリ戦を見据えていた。