フリーランスは雇用保険に加入できる?|雇用保険の代わりとなる制度を解説【シン・会社のマナー】
雇用保険の代わりとなる制度はある?
フリーランスで働くということは、組織や時間に縛られない、自ら仕事を選択できるなどのメリットがあります。けれども、自由度が高い反面、リスクもあります。フリーランスは、労働基準法によって保護される対象ではなく、雇用保険の適用もありません。病気になった場合の補償もなく、不安定な立場であることは否定できない事実です。 それでは、フリーランスの人は、契約の打ち切りなどで仕事を失うリスクには、どのように備えたらいいのでしょうか? 一般的には、損害保険や所得補償保険などの民間の保険に加入している例が多く見られます。個人型確定拠出年金(iDeCo)などで、将来の収入を確保するのも一案です。ただ、フリーランスとして働く人が雇用保険に加入する方法がないわけではありません。 複数の仕事をしている場合でも、その中の1社と雇用契約を結ぶことは可能です。雇用保険の被保険者となる条件は、「週の所定労働時間が20時間以上であること」「31日以上雇用される見込みがあること」。そして「昼間学生でないこと」です。この条件を満たせば、被保険者となることができます。 基本的に雇用保険は2つ以上の事業所で資格取得することはできませんので、1社で雇用保険に加入し、他の仕事は自由な立場で受託するという働き方も可能になります。この場合、相手先とどのような契約を結ぶのかということがポイントになってきます。仕事の契約が業務委託なのか、雇用契約なのかというのは重要な点です。 実は、この業務委託契約というのは一部で問題視されている点もあるのです。業務委託契約とは名ばかりで、実際は自由な裁量で働ける内容ではなかったというケースは少なくありません。本来は雇用契約であるべきものを業務委託で受注したため、はるかに報酬が低いものになったというケースもあります。 なぜこのようなことが起こるかというと、雇用契約ですと労働法が適用され、残業代や社会保険の負担などが発生しますので、コストの増加を避けたい会社があるということです。雇用保険の対象となる労働者かどうかは、勤務の実態によって判断されますので、疑問を感じた時は、ハローワークに相談しましょう。現在フリーランスで働く人を保護するための法整備は進んでいます。 この法律は、業務を中途解約することの制限や、労災の加入、育児や介護などの就業環境に配慮することなどの内容が盛り込まれており、2024年秋頃施行予定となっています。