どうする、どうなる、リオ五輪日本代表のOA問題
23歳以下の選手たちによって争われるオリンピックの男子サッカー。8月4日に開幕するリオ五輪のグループステージでの日本の対戦相手もスウェーデン、ナイジェリア、コロンビアに決まり、注目度が増しているのが大会のエントリーメンバーだ。 今年1月のアジア最終予選では23人だったメンバーが、本大会では18人に絞られる。そのため熾烈な争いが続いているが、チームを率いる手倉森誠監督が3名まで起用できるオーバーエイジを採用する意向を示したことで、サバイバルがさらに激化することが予想されるのだ。 もっとも、このオーバーエイジの人選が今、難航している。 手倉森監督は当初、ヨーロッパでプレーするA代表の主力選手たち--本田圭佑(ミラン)、長友佑都(インテル)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)といったメンバーの招集を希望していた。 しかし、24歳以上の選手を誰でも招集できるわけではない。前回12年のロンドン五輪の際にはFIFA(国際サッカー連盟)が各クラブに「オリンピックへの選手派遣に応じる義務がある」との通達を出したが、今回は現時点でまだ通達されていないため、所属クラブの理解を得る必要があるのだ。 日本サッカー協会の霜田正浩ナショナルチームダイレクターが状況を確認するためヨーロッパに飛んだが、やはり、ヨーロッパのシーズン開幕前の重要な時期に選手をひと月近く拘束するのは困難な状況だという。 それゆえ、Jリーグでプレーする選手からオーバーエイジを招集する可能性が高まっているが、それも一筋縄ではいかない。 Jリーグはオリンピック期間中も中断されないため、オリンピックに参加する選手は直前合宿を含め、リーグ戦4試合を欠場することになる。主力選手が1か月近くも不在になれば、チームの成績にも大きく影響する。それが上位や下位のクラブなら、優勝争いや残留争いに影響を及ぼすことが避けられず、招集に難色を示すクラブが多いことが予想されるのだ。