下水汚泥肥料で野菜栽培へ 長野県下水道事務所と南安曇農高の検証試験2年目
長野県安曇野市の県犀川安曇野流域下水道事務所と南安曇農業高校が協力して進める、下水汚泥肥料化の効果検証試験が2年目となった。本年度は、米に加えて野菜や花、麦にも有効か調べ、適切な使用量を探る。県安曇野終末処理場(アクアピア安曇野)の下水汚泥は10日付で農林水産省に汚泥肥料として肥料登録されたことから、下水汚泥を使って育てた作物を食べられるようになった。 20日は、堀金烏川の南農第2農場でコシヒカリの田植えが行われた。生物工学科微生物活用コースの3年生11人が▽下水汚泥200キロ▽下水汚泥73キロ▽下水汚泥73キロと化成肥料▽化成肥料のみ▽肥料なし―の5区画(各区画1アール)に苗を植えた。下水汚泥の量による成育の違いや、下水汚泥に足りないカリウム成分を化成肥料で補った場合の効果などを検証する。 昨年度は主食用米の風さやかのみだったが、本年度はコシヒカリ、レタス、カブ、マリーゴールド、キンギョソウ、アスター、ヒマワリ、小麦を加えた9種類を育てる。コシヒカリの田植えに参加した生徒は「風さやかは倒れにくくなり、収量が多くなった。比較的倒れやすいコシヒカリでも同じ効果が出れば」と願った。 下水汚泥は肥料登録が済んだものの、安全性を含めた検証を今後も続ける。県犀川安曇野流域下水道事務所は、審査基準の高い「菌体りん酸肥料」への登録を見据えている。八町博明所長は「肥料としての需要がどれだけあるかの調査も計画していきたい」と話している。
市民タイムス