プーチン氏、新型ミサイルの「実戦でのテスト」継続を表明 保有数は限定的と西側当局者
ロシアのプーチン大統領は22日、新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」の実戦での「テスト」を継続するとして、今後もウクライナへ向けて発射を続ける考えを示した。プーチン氏は同ミサイルの在庫は十分あると主張したが、米当局者はこの兵器は実験段階であり、ロシアが保有する数は限られていると指摘した。プーチン氏が新型ミサイル発射に踏み切った理由について専門家は、プーチン氏は弱みを感じており、自らを強く見せようとするための、残された数少ない手段の1つだと指摘した。 ロシアのプーチン大統領は22日、新型ミサイルの実戦での「テスト」を継続すると表明するとともに、このミサイルの即時使用可能な在庫があると明らかにした。前日、ロシアは新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」を初めてウクライナに向け発射した。 この映像は、ロシアがオレシニクを発射した直後に、ウクライナ東部のドニプロ上空で閃光が走る様子を捉えたもの。 プーチン氏はテレビ演説で「皆さんもご存じの通り、世界でそのような兵器を持っている国はない」と述べた。 同氏は今回のミサイル発射について、米英が供与した長射程ミサイルがウクライナによるロシア本土への攻撃に使用されたことへの報復だと述べた。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国は西側諸国と協力して「新たなリスク」に対抗するためのシステム構築に取り組んでいると述べた。ゼレンスキー氏は、ロシアの新型ミサイル使用は「エスカレーション」だと述べた。 ロシアはさらにテストを続けるとしているが、米当局者はこの兵器は実験段階であり、ロシアが保有する数は限られていると指摘した。 米シンクタンク、ランド研究所のマイケル・ボーナートさんは次のように述べた。 ランド研究所 マイケル・ボーナートさん 「これはプーチン大統領が弱みを感じているからこその行動だ。そして同時に強く見せようとする、残された数少ない手段の1つだ」 ロシアは、欧米が供与した兵器のロシア本土攻撃をウクライナに容認したことで、欧米はロシアとの直接衝突に突入しつつあると警告。またプーチン氏は19日、通常兵器の攻撃を受けた場合でも核兵器が使用できるよう、使用基準を引き下げることを承認した。