「大雪予報」でパート先が休業すると言われました。想定外の休みは家計に響くのですが、「その分の給料」は本当に出ませんか…?
普段雪の少ない地域では、大雪が降ると公共機関に影響が出たり、高速道路が通行止めになったりと、日常生活に支障が出ることがあります。また降雪予報によっては会社も計画休業することもあるでしょう。 給与には「ノーワーク・ノーペイ」、つまり従業員が働かなければ、その対価は支払わなくていいという原則があります。大雪によって会社が休業となると勤務時間に対する「時給」が発生しないため、無給となってしまうのでしょうか。本記事では大雪などの災害によって勤務先の会社が休業となった場合の給与について解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
大雪で休業は誰のせい?
労働基準法26条によると、会社が休業する場合、その理由が「使用者の責に帰すべき事由」、つまり会社の都合による休業である場合は、休業であっても会社は従業員に対して平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければならないとあります。 ただし休業の理由が台風や大雨・地震など天災事変による不可抗力であり、「休業の原因が、事業の外部より発生したこと」「会社が最大限の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること」の両方を満たしている場合は、責任は会社側にないと考えられるため休業手当を支払う必要はないとされています。
「大雪」は不可抗力なのか
大雪で会社が休業となる場合、条件を満たせば休業は「不可抗力」となり、会社側の給与の支払いが免除となりますが、単に「大雪が降るから」という理由だけでは不十分です。例えば、「大雪の影響で営業が困難と会社が判断した」「大雪で客足が見込めず休業にする」といった場合は会社判断による会社都合の休業と見なされるため、不可抗力とはいえず従業員に休業手当を支払う必要があります。 一方で、近年は大雪や強い台風などが予想される場合、被害拡大の防止のため、公共交通機関があらかじめ計画運休を発表するようになっています。このように大雪の影響で公共交通機関が止まる恐れがある、もしくは計画運休をするなど、従業員の通勤が極めて困難となることが予想される場合は、会社に故意も過失もないため不可抗力とされることが多いでしょう。