正統派リュクスを極める|リージェント・セブンシーズ・クルーズを選ぶ理由
日本でのクルーズ旅行の人気がふたたび高まっている。国土交通省の統計によれば、2023年の日本のクルーズ人口は19.6万人。特に外国クルーズ船の日本への寄港回数が増加しており、2023年の寄港回数は1,264回でコロナ禍前のピーク時(2017年)の約63%まで回復している。また、コロナ禍前(2016年~2019年)と比較すると、コロナ禍以降の再開後はラグジュアリー・エクスペディション船の寄港回数が増加傾向にある。 【画像】全客室がバルコニー付きスイート!豪華客船「セブンシーズ・エクスプローラー」の内部(写真18点) 寄港船舶が大型化していることも、昨年からのトピックスとして挙げられる。乗客定員5,000人超、17万トンを超える規模の船の寄港が話題になったことも記憶に新しい。大型客船のチャータークルーズも数多く企画され、多くの人がカジュアルにクルーズ旅行を楽しむことができるようになった。 寄港回数が増え、船が大型化することでクルーズ旅行が身近なものとなった反面、本誌読者の中には船のサイズにはとらわれず、本物志向のラグジュアリーな旅がしたいと考える人も多いのではないだろうか。あえて昔ながらの言葉を用いるならば「豪華客船の旅」。クラシカルで良質な贅を極めた旅である。 そんな旅を求める人にお薦めしたいのが、本稿で紹介するリージェント・セブンシーズ・クルーズだ。今回、編集部では2016年にデビューした同社の「セブンシーズ・エクスプローラー」の乗船体験の機会を得たのだが、セブンシーズ・エクスプローラーの印象を一言でいえば「エレガント」。モナコ公国のシャルレーヌ公妃により命名されたと聞けば納得もいく。船社自らが「世界で最も豪華なクルーズライン」と謳うだけあって、客室、食事、体験、すべてにおいて余裕を感じさせるクルーズシップである。 客室の中で最も広いリージェント・スイートは412.8㎡を誇る。2室のベッドルームや大理石造りのバスルームを備えているのは、リージェント・スイートに次ぐマスター・スイートも同様だ。その他の客室も、部屋の広さは違えど全客室がバルコニー付きスイートという贅沢な作りとなっている。 コンセプトとして掲げられている最大の特徴が「オールインクルーシブ」だ。食事やアルコールについても、フランス料理、イタリア料理、ステーキハウス、アジア料理等の料理を高級ワインやシャンパンとともに、追加料金を気にすることなく堪能することができる。驚くべきは寄港地の観光もインクルーシブであること。多彩な寄港地ツアーから目的に合ったツアーを選べるのも嬉しい。また、コンシェルジュスイート以上では乗船都市の中心地にあるラグジュアリーホテルがクルーズ代金に含まれており、ホテルから港への送迎、朝食、ポーターサービスまでインクルードされている。 船内にはレストラン、ラウンジ、シアター、カジノ、スパ、ジム、プール、ブティック、ライブラリーが完備。前述した大型客船に比べると、セブンシーズ・エクスプローラーの総トン数は約5万トン、乗客定員は746名と、規模感においては物足りないかもしれない。しかし、リージェント・セブンシーズ・クルーズが重きを置くのはサイズではなく、質。上質であること、エレガントであること、ゆとりがあること、ラグジュアリーを極めること。それは乗客定員に対する乗組員数にも如実に表れている。746名の乗客に対してセブンシーズ・エクスプローラーの乗組員数は548名。つまり乗客1.3~1.4名に対して乗組員1人が対応することができ、きめ細やかなサービスが享受できるのだ。食事についても然り。メガシップでは入れ替え制で時間が指定されていることが多いが、ここではスペシャリティレストランを含めて、好きなときに好きな場所で食事を楽しめる。 本当の贅沢とは、これ見よがしの輝きではなく、さりげなく心に訴えかける“ゆとり”に集約されるのではないだろうか。セブンシーズ・エクスプローラーの船内には、ともすると気付かないほどに何気なく、ピカソやシャガールの作品が飾られていた。そういった心の豊かさは、まさにリュクスの極みである。 文:オクタン日本版編集部 写真:尾形和美 Words: Octane Japan Photography: Kazumi OGATA
Octane Japan 編集部