「年金は月5万」69歳からアルバイトも今では人気YouTuberに ロコリ(73)「目標は北九州から世界進出」
── 撮影から編集まですべておひとりで? ロコリさん:はい、全部ひとりです。誰にもやり方を聞いたことはないです。何かわからないことがあっても、YouTubeやネットで検索すれば、たいていのことはどうにかなるので。 ── 切り口はファッション系でいこう、と決めていたのでしょうか。 ロコリさん:はじめはDIYの動画を上げようと思っていたんです。でもDIY動画を見る方って自分より詳しい方の動画を見るだろうから、素人のおばちゃんがDIYしていても参考にならないかな、と考え直しまして。
ノートに書いたシニアYouTuberのリストを見直していたら、ファッション系が少ないことに気がつきました。逆に多いのは、丁寧な暮らしとか離婚系ですが、どちらも自分にはできない。でもファッションだったら若い頃に地元の北九州でブティックを経営し、百貨店のアパレルで長く働いていた経験もありますし、プライベートでは安くていいものを買うのが得意でした。それでプチプラファッションやコーディネートを紹介する動画を始めよう!となりました。まぁ、ブティック経営はうまくいかなくて、2000万円の負債を背負った過去があるんですが…。
── YouTubeチャンネルを作っていて一番の醍醐味はなんでしょうか? ロコリさん:自分の個性が出せるのが何より嬉しいです。たとえば、百貨店でマネキンのディスプレイを任されたとして、自分では「最高じゃん!」と思う内容でも、店長が出てきて全部変えられたりしてしまう。そんな経験が何度もありました。なので、販売員しながら、この仕事は自分らしくない、とずっと感じていましたね。誰からも邪魔されず自分の感性だけでできるYouTubeは楽しいですよね。自分らしさを表現できている今が人生でいちばん楽しい。
■49歳でハローワークに通いながらパソコン技術を取得 ── 著書に「今の時代が一番生きやすい」という言葉がありました。自分の感性でセルフプロデュースできる状況にあるからなんですね。 ロコリさん:そうです。あと、デジタル機器が好きだから、ネット社会が自分に合っているんでしょうね。まだApple社のMacがそんなに普及していない頃、友達のデザイン会社にMacのパソコンがあると聞いて、それまでパソコンを触ったことがなかったのに興味を持って見に行ったこともあります。2000年のちょっと前、49歳の頃かな。Macを見たらパソコンに興味が出てパソコン教室を調べたんですけど、ちょっと値段が高くていったんは諦めました。