銀行のリスク移転証券に投資-DEショーが2号ファンドを準備
(ブルームバーグ): クオンツヘッジファンド会社のDEショーは、ウォール街で最もホットな資産クラスの一つである銀行のリスク移転用の合成証券に投資する2本目のファンドを立ち上げる。
同社は26日、DEショー・ディオプター・ファンド IIの資金を調達する私募債についての届け出を米証券取引委員会(SEC)に提出した。目標額は記載されていない。DEショーの広報担当者はコメントを控えた。
事情に詳しい関係者によると、ディオプター II は、リッチ・マッキニー、マリアンナ・ファシノッティ、スティーブ・アイレンバーグの3氏が共同で運用する。3氏はDEショーの一任クレジット事業担当マネジングディレクター。
ディオプターの1号ファンドは、銀行の合成リスク移転(SRT)取引に参加するため2023年2月に約6億5000万ドル(約1000億円)を調達した。銀行が新たな規制を乗り切ろうと模索する中、SRTと関連商品の発行は昨年、記録的な規模となった。
ディオプター IIは1号ファンドと同様、主に銀行がリスクの移転や共有を通じて、必要資本を最適化または削減するために使用する証券に投資する見込みだと関係者は述べた。銀行はこのような取引を利用してリスクを管理し規制により保持を求められる資本額を減らして貸し出しに回せる資金を増やす。
DEショーの運用資産は3月初めの時点で600億ドル余り。借り手に関する情報があまり開示されない透明性の低いローンのポートフォリオに投資している。
同社は16年以来、40件以上の合成証券化を通じて約42億ドルをSRT証券に投資してきた。
原題:D.E. Shaw to Start Another Fund Targeting Bank-Capital Deals(抜粋)
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Miles Weiss, Silla Brush