中日は采配次第でアップ? “投高打低”が顕著なプロ野球、来季「得点力向上」見込める球団は
投高打低の傾向が年々強くなっているプロ野球。昨年と比べてチーム総得点が増えたのはDeNA(520→522)、ソフトバンク(536→607)、日本ハム(464→532)だけで、残りの9球団は減少している。好打者の目安と言われる規定打席に到達して打率3割をクリアしたのも両リーグ合わせてわずか3人で、日本人選手は近藤健介(ソフトバンク)だけだった。 【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら ただ昨年まで低迷していた日本ハムが大きく得点数を伸ばしているように、若手選手の台頭などによって改善するチームが出てくる可能性もあるはずだ。そんな来シーズンの得点力アップが期待できそうな球団を探ってみたいと思う。 セ・リーグで挙げたいのが中日だ。チーム得点数は2020年から5年連続でリーグ最下位。チーム順位も3年連続で最下位に沈むなど打線の弱さは長年の課題となっている。しかしチーム打率を見ると昨年の.234から今年は.243に向上しており、これはセ・リーグで3位タイの数字である。ホームラン数も71本から68本へとわずかに減少したが、他球団のダウン幅に比べると小さく、これもセ・リーグ3位だった。 何よりも大きいのが細川成也が2年続けて中軸として十分な成績を残し、打線の太い柱へと成長した点だ。打率、安打数、本塁打数はいずれもリーグ4位。三振の多さは変わらないが、打率と出塁率は大幅に改善しており、出塁率と長打率の合計で示すOPSは.846と、岡本和真(巨人)の.863や村上宗隆(ヤクルト)の.851と比べても遜色ない数字となっている。来年で27歳とまだまだ若く、ここからさらに成績を伸ばすことも期待できるだろう。 加えて昨年はともに2年目の村松開人と福永裕基の2人がシーズン100安打をクリア。リードオフマンの岡林勇希も開幕で大きく出遅れながら夏場以降に調子を上げて、地力があるところを見せている。抜群のスピードがある田中幹也に台頭の兆しが見られるのもプラスである。