中日は采配次第でアップ? “投高打低”が顕著なプロ野球、来季「得点力向上」見込める球団は
気になるのが首脳陣の采配だ。チーム打率もホームラン数も3位でありながら得点が最下位というのは選手起用や采配に問題があることは間違いない。シーズン143試合の半分以上の打順を固定できたのは4番の細川だけで、その前も後ろも流動的な状況が続いていた。ただそういう意味では首脳陣の交代は大きなプラスに転じる可能性は高い。井上一樹新監督は昨年二軍でチームをウエスタン・リーグ2位に躍進させているだけに、上手く打線を機能させることも期待できるだろう。 パ・リーグで期待できそうなのが今年2位に躍進した日本ハムだ。冒頭でも触れたようにチーム得点は前年と比べて大きく改善してリーグ2位の数字をマーク。レイエス(25本)、万波中正(18本)、清宮幸太郎(15本)、マルティネス(13本)、郡司裕也(12本)の5人が二桁ホームランを放っており、これは12球団でトップの数字だ。 レイエスはシーズン開幕直後は調子が上がらずに5月から6月にかけて約1カ月間は二軍調整となっており、清宮も自主トレ中の怪我で出遅れて89試合の出場に終わっていることを考えると、1年間フルに出場することができれば得点力がさらに上がる可能性は高いだろう。そして心強いのはこの5人以外にもまだまだ成績を伸ばすことが期待できる選手が揃っているという点だ。 現役ドラフトで今年から加入した水谷瞬はセ・パ交流戦でMVPに輝く活躍を見せ、97試合の出場で9本塁打、39打点をマーク。今年はわずか2本塁打に終わった野村佑希も昨年は13本塁打を放っており、二軍では格の違いを見せつけている。また新たに現役ドラフトでソフトバンクから移籍した吉田賢吾も二軍では79試合に出場して打率.303をマークするなど打撃には定評のある選手だ。捕手の田宮裕涼が6年目にしてブレイクしたのも大きなプラスである。ここまで名前を挙げた選手をどう配置して起用していくかというのは気になるものの、ここまで力のある若手打者が揃っている球団は他にはないことは確かだ。