中日は采配次第でアップ? “投高打低”が顕著なプロ野球、来季「得点力向上」見込める球団は
一つ気になるのがチャンスメイクの部分だ。チーム盗塁数91はパ・リーグトップだが、一方で成功率は64%とリーグワーストの数字となっている。犠打数115もリーグで2番目に多い。これだけ長打力のある選手が揃っているのであれば、小技に頼り過ぎない方が得点力もアップする可能性も高いのではないだろうか。セ・リーグで挙げた中日とも重なる部分だが、今一度選手起用と最背面を見直す必要があるだろう。 分析できるデータ量が増えたことで、今は投手が有利になる面に働いていることが多いが、過去を振り返っても投手のレベル向上に合わせて打者のレベルも上がってきたことは確かだ。今回挙げた2球団以外も、あらゆるアプローチで打線強化に取り組み、成果を出すチームが出てくることを期待したい。(文・西尾典文) 西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
西尾典文