ワイン史上に残る! 高額で取引された伝説のボトル3本&希少性が高い人気のワイン6選
不慮の事故で価値が上がったワイン
(1)6年分のワインの樽が一晩で失われる! 却って人気になった「ソルデラ・カーゼ・バッセ」 自然栽培・醸造にこだわった高品質のブルネッロで知られるカーゼ・バッセ。2007年から2012年のワイン約8万4千本分が、元従業員によって故意に樽から流出させられるという事件が起こった。大きな痛手となったが、希少性が高まったことでかえって注目を集め、価格も人気も高まるという結果となった。 (2)沈没事件により約2割が海底に消えたことで価格が2倍に! 「ドミノ・デ・ピングス」 パーカーポイント満点を獲得したデビューヴィンテージだったが、スペインからアメリカに向けて輸送中に船が沈没し、約2割にあたる75ケースが海に沈んでしまった。これにより、価格は200ドルから495ドルにまで高騰した。 (3)沈没船から引き揚げられたワインが高値で売買される 1991年に見つかった沈没船マリーテレーゼ号には、ボルドーからサイゴンへと運ばれていたグリューオラローズが積まれていた。100年以上の時を経て引き上げられたグリューオラローズは、オークションで1本約80万円という高額で落札された。
ワイン史上に残る! 高額で取引された伝説のボトル3本
希少価値のあるワインは、オークションで予想を大きく超えた価格を叩き出します。ここでは、ワイン史上に残る3本を紹介します。 【ロマネコンティ1945】 2018年にNYで行われたオークションに、「存在すら幻」と言われるほど希少な1945年産のロマネコンティが出品され、ワイン史上最高落札額(55万8000ドル=当時約6000万円)を記録。グラス1杯約1000万円という超高額だった。偽物も多く出回るが、生産当時に扱っていた業者由来の品で信頼できるものだった。 【ドンペリ1921 ファーストヴィンテージ】 3歳でタバコ王である父から巨額の遺産を相続したドリス・デュークのコレクションから出品。予想をはるかに上回る高額(8000ドル=当時約84万円)で落札された。醸造から83年が経過していたが、コルクを開けると微量の泡立ちがあった。 【スクリーミング・イーグル1992】 超少量生産で、メーリングリストの顧客のみに販売する入手困難なカルトワイン。ファーストヴィンテージの1992年産の6リットルボトルは、2008年のチャリティーオークションで50万ドル(当時約5500万円)の高額をつけた。 渡辺順子(ワタナベジュンコ) ワインスペシャリスト。1990年代に渡米。フランスへのワイン留学を経て、2001年大手オークションハウス「クリスティーズ」のワイン部門に入社。同社初のアジア人ワインスペシャリストとして活躍する。09年に退社し、プレミアムワイン株式会社を設立。ワイン普及の活動を続けている。現在はメキシコ在住。著書に、『世界のビジネスエリートが身につける教養としてのワイン』『高いワイン』『日本のロマネ・コンティはなぜ「まずい」のか』『語れるワイン』等 渡辺順子/イラスト 藤井昌子 協力:新星出版社 Fun-Life! Book Bang編集部 新潮社
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