【毎日書評】覚えておけば損しないフリーランスの「会計財務」の基礎知識
儲かっているのに倒産する?
「会計」と並んでよく聞くことばに「財務」がありますが、両者はなにが違うのでしょうか? お金に関係するという点では同じですが、「会計」はお金の出入りを伴う取引をする方法。一方の「財務」は、お金自体の管理の方法。会計は過去の記録で、財務はそれを基に未来を予測するものだということです。そのため、実は「会計」では儲かっていても、「財務」ではお金がないという事態が起きたりするのです。 たとえば、2020年のコロナ禍の始まりを思い出してください。当時、飲食店に休業・時間短縮要請が出されました。 このとき会計(過去)で見ると3月までは黒字だったお店が、4月からの休業で急に売上がなくなり、財務(未来)の観点では、お金が入ってこなくて支払が困難になり、経営が苦しくなる事例が続出しました。大手の飲食チェーンや、ホテルチェーンも、資金不足に陥り多数の店舗を閉鎖しました。(27ページより) つまりはこのように、会計の数字は過去からの集計なので黒字に見えるわけです。ところが急な環境変化で運営資金の不足が限界を超えてしまうと、モノの仕入ができない、借入の返済ができないなどの問題が生じ、黒字なのに倒産する可能性が出てくるということ。 もちろん、アーティストなどの場合は基本的に仕入や借入の必要は少ないかもしれません。しかし、そうはいってもお金については、このように過去と未来の両面から考える習慣をつけておいて損はないようです。前述したとおり、アーティストも商売人なのですから。(26ページより) 繰り返しになりますが、クリエイターにとっても会計知識はとても重要。避けては通れないものであるだけに、本書を活用しながら基礎的なノウハウを身につけたいものです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 秀和システム
印南敦史