親が最も警戒すべき「小2・小3の壁」とは? 子どもの自己肯定感を守る5ポイント
学力の個性が出て、他の子どもと自分を比較する時期
2つ目のポイントは、学習面で個性の違いが出てくる時期だということ。 学校の授業では、小学校2年生から九九がはじまります。子どもによっては「国語は得意だけど算数はキライ」「算数は好きだけど、国語はまったくダメ」などの個性が出てきます。 お子さん自身が友だちと比べて「自分はダメなのかな」「できないのかな」とまわりを意識しはじめるのもこの時期。もちろん、お母さん、お父さんもわが子の学習面が気になりはじめ、ほかのお子さんと比較することが増えはじめます。 たとえばこの時期に「○○ちゃんはもう全部九九覚えたんだって」「もっと音読をちゃんとしないと、どんどん国語が苦手になるわよ」などと、ほかの子と比べたり、その子の悪いところにフォーカスするようなことをいってしまうと、子どもの自己肯定感は下がってしまいます。
性格の違いがはっきりとしてくる年齢
3つ目のポイントは、この時期に性格やパーソナリティが出てきやすいということです。 Aくんは社交的で活発であるとか、Bちゃんは内向的でおとなしい、Cくんは繊細、などといったような違いが出てくるのです。いじめのご相談がはじまるのもこの時期です。 ですからなるべくこの時期くらいから、その子の個性に合ったサポートをしてあげる必要があります。 たとえばこんなことがありました。ある教育者の講演会に出席した小学校2年生のDくんのお母さんが、「子どもには低学年のうちから武道を習わせるといい」と聞いたのです。武道を習わせると礼儀正しい子になるし、ハキハキと声が出せるようになるから、絶対におすすめだと。 日ごろから何ごとにも消極的だったDくんのことを心配していたお母さんはすぐに、息子に剣道を習わせることにしました。 でも、数回通っただけで子どもは行きたがらなくなりました。大きな声を出して竹刀をもって戦うのは嫌だというのです。泣く泣く剣道をやめさせましたが、3年生になるとDくんは自分から「学校のクラブ活動の吹すい奏そう楽がくをやりたい」といい出したのです。はじめて習う楽器で演奏するDくんはイキイキとしていました。 ここに来てようやくお母さんは、自分がDくんの個性を無視して、やりたいことも聞かずに習いごとを押しつけていたことに気がついたのです。 先ほども触れたように、さまざまな調査で、自己肯定感のターニングポイントが9~12歳くらいであるという報告があります。 コミュニケーション、学習面、パーソナリティの違いによる個性が子どもの成長に深くかかわってくるこの時期。ぜひお子さんに寄り添い、サポートをしてあげましょう。