シリア暫定政権治安対策強化 旧政権支持派との衝突続く
ダマスカス、シリア、12月27日 (AP) ― シリアの首都ダマスカスで、旧アサド政権支持派とイスラム教スンニ派治安部隊の武力衝突を受けて、暫定政権は12月26日、治安部隊を首都への入り口に配備するなど、治安対策の強化に乗り出した。 在英NGOシリア人権監視団は、暫定政権側と旧政権支持派の衝突でスンニ派治安部隊戦闘員6人が死亡、多数が負傷したと発表した。 同監視団によると、シャム解放戦線(HTS)治安部隊員は、旧アサド政権下で数千人の受刑者に対して処刑命令や、専断的な判決を下したとして告発されている元高官を逮捕しようとして、旧アサド派に殺害されたという。 首都では少数派のイスラム教アラウィ派のデモ隊が、スンニ派の反対デモ隊と衝突し、銃声が聞こえた。また、シリア沿岸部の町や、西部のホムスやハマの周辺部でも、アラウィ派のデモが行われている。 シリアの政権移行は驚くほど円滑だが、アサド前大統領がロシアに逃亡し、旧政権が崩壊してからまだ数週間しかたっていない。 アサド前大統領を追放した反政府勢力は、イスラム原理主義イデオロギーに根ざしており、政治的多元主義体制を作ると宣言しているが、どのような体制を作るつもりなのか、あるいはどのように権力を共有するつもりなのかは明らかではない。 (日本語翻訳・編集 アフロ)