ファンタジースプリングス開業 オリエンタルランド会長「TDRは本物をつくり続ける」
SUITS OF THE YEAR 2024 受賞者インタビュー(2)
「SUITS OF THE YEAR 2024」のビジネス部門で受賞した髙野由美子さんは、東京ディズニーリゾート(TDR)のホテル事業を成長させ、2023年6月に女性として初めてオリエンタルランドの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。2024年6月にオープンした東京ディズニーシー(TDS)の新テーマポート「ファンタジースプリングス」でリーダーシップを発揮し、来園者の五感をくすぐる様々な工夫を施した。今後のTDRが目指すもの、そして自身の装いに対する考え方などを聞いた。 【写真はこちら】髙野由美子会長が「仕事がしやすい」と評したスーツ、着こなしやディテールをチェック!
■「本物」だからゲストの感動呼ぶ
――今日は6月にオープンしたファンタジースプリングス内にある東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテルにお邪魔していますが、見かけた多くのゲスト(入園者)は、みんな目を輝かせていました。東京ディズニーランド(TDL)、TDSと合わせたTDRへの来園者数は累計8億人を超えたと聞いています。なぜ、TDRは多くの人たちの夢の国であり続けているのでしょうか? 「やはり『本物』をつくり続けたからこそだと思っています。TDLは米国以外で開設された最初のディズニーテーマパークです。私たちはこれをつくるときに、徹底的に『本物』とすることにこだわりました。それが今も生きています。テーマパーク以外のホテルもそうです。TDRは拡張し続けていますが、隅々までが本物。そうでないと、ゲストに感動してもらえないと考えています」
■五感を解放するファンタジースプリングス
――今年のスーツ・オブ・ザ・イヤーは「五感を刺激する」をテーマに、それぞれの分野で功績をあげた方々を選出しました。満を持してオープンしたファンタジースプリングスは、まさしく五感を刺激する、すてきなエリアだなと感じています。 「ありがとうございます。私自身も、皆様に五感で楽しんでもらえるエリアが完成したと自信を持っております。例えばファンタジースプリングスの入り口前では岩の工作物『ロックワーク』が皆様を出迎えます。様々なキャラクターをかたどった岩があり、思わず触れてみたくなることでしょう」 「入り口を入るとテーマミュージックや、鳥のさえずり、水や滝の音が聞こえてくる。ランドスケープの美しさを味わいつつ歩き始めると、レストランやポップコーンの香りにも包まれ、『一体、私はどこを歩いているんだろう』というワクワクした気分になるはずです。各エリアでは『ピーター・パン』や『アナと雪の女王』、『塔の上のラプンツェル』の世界に次々と浸れる。そして最終的にホテルが現れるんです」 「このホテルは、自慢したくなるほど素晴らしい環境だと個人的に思っています。バルコニーから眺める景色は最高ですよ。ここで数時間過ごすと、私は、今までの人生で経験した様々なことを思い出し、忘れていた五感の記憶みたいなものまでよみがえる気がします。本当にファンタジースプリングスは皆様の五感を刺激するものがいっぱいあると思っています。なかなかそのような経験は日常生活の中にはないと思いますので、ぜひここに来て、ご自身の五感を開放していただきたいと思います」