阪神・藤川球児新監督は"火の玉ストレート"のように突っ走れるか!? 指導経験なしでも金本知憲元監督の失敗から得た"学び"も
昨年優勝、今季は2位と好成績を残しながらも退いた岡田彰布前監督の後を継いだ藤川球児新監督。さまざまな不安要素も挙がっているけど、実際どうなの? 現状の好材料、不安材料を整理してみた。 【写真】投手に直接指導する藤川監督 * * * ■指導経験なしは大丈夫なのか? 昨年は日本一。そして、今季はリーグ2位という輝かしい成績を残した名将・岡田彰布前監督の後を引き継いで、阪神の新監督に就任したのが藤川球児。チームは好成績を残していただけに、ファンからは不安の声も上がっている。あらためて、好材料や不安材料などを集めて藤川新監督の今後を展望してみよう。 まず、ファンが最も不安視しているのは指導経験がないこと。長年、阪神を取材する全国紙記者はこう語る。 「藤川監督は解説者として理路整然とした解説が評判になったように、しっかりとした野球理論の持ち主かつ、弁も立ち、自分の考えを伝える能力にも長(た)けています。 コーチではないですが、球団からは外で解説をしながら球団スタッフとしても動けるポジション『SA』(スペシャルアシスタント。後に、球団本部付スペシャルアシスタント)なる、珍しい役職を与えられていました。 本来、解説者の仕事は球団から離れてするものですが、両方してもいいよという許可を球団が特別に与えたようなもので、このときからすでに監督になるための英才教育が始まっていたんです。 SAとしては、ドミニカ共和国やアメリカで新外国人調査を担当したり、球団のドラフト戦略や育成などについても関与していました。なので、一概に指導経験がないから監督の資格もないと決めつけるのは違うかなと思います」 それには、こんな背景もあるという。 「金本知憲元監督の失敗から学んだことでもあるんです。金本監督も藤川監督同様、指導経験なしで引退から3年後にいきなり監督に就任。引退後は完全に球団から離れ、球団の外の人間として生活していました。 その間、試合に出ていない若手選手の成長などを見る機会もなく、経験のなさがモロに出てしまうところがあった。しかし、藤川監督は前述のようにチームや選手の状況など球団内部の人間として把握していますので、金本元監督のときとはまったく違います」 ■コーチの声を聞き入れる姿勢