阪神・藤川球児新監督は"火の玉ストレート"のように突っ走れるか!? 指導経験なしでも金本知憲元監督の失敗から得た"学び"も
「例えば、佐藤(輝明)の守備練習ですが、若手選手と一緒にノックを受けているとき、ほかの選手がやっている中でも佐藤だけ芝生にしゃがみ込んで休憩をとるんです。 実はこれ、佐藤について守備練習をしている田中秀太コーチの提案を監督が受け入れてやっていること。佐藤はずっと続けて練習すると集中力が持たなくなるから、休憩を挟みながらのほうが練習効果が上がると提案したようです。岡田監督の時代なら考えられなかったこと。岡田監督は休みながらなんて決して許していなかったはずです。 これは、いいほうに転がるか悪いほうに転がるか微妙です。いいほうに転がるとすれば、上からの押しつけという感じではなくなる分、若い選手は受け入れやすい可能性がある。また、任せられたコーチも発奮して頑張るでしょう。 一方で、成長過程の選手も多く、指導に当たる監督やコーチが厳しく導かないといけないという考えが岡田監督時代にはありました。コーチに任せてしまうことで厳しさがなくなっていったら、危ない傾向が出てくる可能性もあります」 ■監督が直接指導する姿も さらに、藤川監督と岡田監督の違いはこんな面でも。 「気がついたところがあれば選手に声をかけたり、時には、身ぶり手ぶりを交えながら教えたりを頻繁にやっています。 監督の多くは選手をえこひいきしていると思われるのが嫌で、みんなが見ている前では直接指導しないのですが、藤川監督はあまり気にせず、気になった選手に声をかけて直接指導しています。 21年のドラフト1位で高卒入団した森木大智はフォームを崩して来季は育成契約となったんですが、そんな森木にも『すぐに良くならなくても頑張っていこう』と声をかけていたそうです。 やはり、自身もプロ入り後の5年間はなかなか結果が出せなかっただけに、若手に頑張ってほしいという気持ちが強いんだと思います」 こうした監督の優しい気遣いがいいほうに動いた例も。 「大山(悠輔)の残留ですね。阪神に残るか出るかで揺れていた当時に、くしくも森下(翔太)が侍ジャパンの4番として立つことに。あるインタビューで『来季の4番は森下ですか?』と聞かれた藤川監督が『いえ、大山がいますから』と即答したことが、大山にとって『うれしかったし、残留の決め手だった』と語っています。これには藤川監督もとにかくホッとしていると思います」 それでは最後に、気になるメンバー起用について。岡田監督は野手のメンバーを固定して戦ってきたが、藤川監督はどう予想される?