羽生に見えたGP連覇!
グランプリファイナルの男子ショートプログラムが現地時間の12日、スペイン・バルセロナで行われ、羽生結弦(20歳、ANA)が、今季世界最高得点となる94.08をマークして首位に立った。上海での衝突事故以来、失敗していた4回転ジャンプに成功、コンビネーションジャンプで転倒したが、「久しぶりに笑って終えられた」と、本人は完全復活に確かな手ごたえを感じており、GPファイナル連覇が見えてきた。 演技を終えた瞬間、羽生はニヤっと笑った。 久しぶりに血の通った羽生スマイルを見た。 演技冒頭に置かれた4回転トゥループジャンプを見事に着氷した。得意の小さなガッツポーズはなかったが、トリプルアクセルも余裕をもってクリアしてみせた。3回転+3回転のコンビネーションジャンプの2つ目で、踵から着氷する形になって転倒。それでも、その後、乱れることもなく美しく演技をまとめた。 キッス&クライで得点を知ると、予想以上の得点だったのか。「オーマイ!ガッ!」と、驚きの表情を見せてオーサー・コーチと抱き合った。 「NHK杯とか中国杯の時は、自分のコンディションと体のことだけを考えていたが、今日は、リラックスして、心地よくできた。試合に集中することができたと思う」 上海でのGPシリーズの6分間練習中にエン・カンと衝突して、顎や左大腿部など全身5箇所に大きな怪我を負ったのが11月8日。満足に練習もできなかっが、GPファイナル出場への強い意思を持って11月29日からのNHK杯へ強行出場した。4回転ジャンプには、すべて失敗。結果、4位に終わったが、幸運にもGPファイナル出場権を得た。おそらく、このバルセロナまでに練習期間は、実質1週間ほどしかなかっただろう。 元全日本2位で、インストラクターとして後身の指導と同時に、WEBサイト、アスリートジャーナルで評論活動を行っている中庭健介氏は、羽生のGPファイナルでの演技をこう見た。