羽生に見えたGP連覇!
「NHK杯では、どちらかというと受身の演技でしたが、今日は違いました。4回転の着氷後の姿勢にも張りがあり、“入り”だけでなく“出”が素晴らしかった。ジャンプも頭から天井に吊り上げられるようなイメージで軸が細く、鋭く回転していました。コンビネーションジャンプでは、流れておらず転倒しましたが、元々、羽生選手はルッツを苦手としています。そのミスより、4回転、トリプルアクセルを成功させた意義が大きいと思います。おそらくNHK杯では、怪我の影響で練習での4回転の確認作業しかできていなかったのでしょう。今回は、そう時間がない中でも、追い込んだ練習ができていたのではないでしょうか。元々、トリプルアクセルに挑戦していた頃も、1日に50回も練習で飛ぶような選手です。天才だけど努力型。今回は、練習で詰めれたことが伝わってきました。故障がなければ、ショートでは後半に4回転ジャンプを入れ、フリーでは4回転を3つ入れるという高度なプログラムに挑戦するシーズンでした。そこに向けて、練習してきたベースがあるのでしょう。4回転ジャンプそのもののグレードは去年より上がっていると感じました」 羽生は、2位の町田樹(24歳、関大)に6.76差をつけた。3位のマキシム・コフトゥン(19歳、ロシア)とも7.06点差である。ギリギリに滑り込んだGPファイナルで連覇の可能性が見えてきた。 中庭氏は「町田選手は、フリーで4回転は2本、トリプルアクセル1本のプログラム構成です。羽生選手が4回転を1本成功すれば、もう1本が乱れても、このショートの点差なら勝てるのではないでしょうか。僕はフリーの後半の課題をどう克服するかに注目をしています」と予想している。 注目のフリーは、日本時間の14日、早朝に行われる。