人間関係がうまくいく「否定しない」4つの技術
【技術3】「さすが」返し 否定しないことを意識しすぎると、相手を過剰にほめてしまうかもしれません。しかし、ほめすぎると、言われた相手は「何か裏があるのでは?」と疑ってしまい、かえって関係が悪くなることがあります。 そこで活用してほしいのが、「さすが」というフレーズです。この言葉は、相手のことを否定も肯定もしないフレーズですが、言われて嬉しくなる言葉であることは間違いありません。 言われた相手は、「この人は自分のことを理解してくれている」と受け止めます。ただし、大げさに言うと嘘っぽく聞こえるので注意しましょう。
【技術4】黙る 「否定と受け取られずに、うまく会話を続ける自信がない」という人は、無理に話す必要はありません。相手に話してもらえばいいのです。そのために有効なのが、「黙る」こと。相手の発言に対して反射的に言葉を返すのではなく、いったんブレーキを踏んで黙ってみましょう。 「聞いています」というリアクションをしながら、相手が話し終えるまで黙り、話し終わったあとも、うなずきながら2秒間沈黙してみましょう。 すると恐らく相手が発言を続けてくれるので、否定されたと感じることなく会話が広がっていきます。良好な人間関係を築くには、相手に思っていることをたくさん話してもらうのが一番です。
否定してくる人への対処法
・「ザル」をイメージして必要な情報だけを受け止める 自分は否定しないように心がけたとしても、相手から否定されてしまうことはよくあります。否定ばかりする人とは、できるだけ距離を置きたいものですが、それが難しい相手への対処法としておすすめしたいのは、心の中で「ザル」をイメージすることです。 否定してくる相手の言葉を全部受け止めていたら大変なので、言葉を「ザル」で濾して、要らない部分はザーッとこぼしてしまえばいいのです。私はこれを「ザルのように聞く」と表現しています。 否定や罵倒、叱責の言葉はすべて「要らない情報」、自分にとって大事な気づきや学びがある言葉は「要る情報」というふうに心の中で選別して、要る情報だけを残し、要らない情報は流してしまいましょう。残すか残さないかは、自分で判断して大丈夫です。 たとえば、ダイエットがうまくいっていることに対して「急に痩せすぎじゃない? この年で痩せると不健康に見えるから、気をつけたほうがいいよ」と言われたとします。 「痩せすぎ」「不健康に見える」という否定の部分に対しては受け流し、「健康的に痩せることが大事」という部分だけを残して今後の行動に活かす。そうすれば、無駄に傷つかず、前向きに気持ちを切り替えられるでしょう。 否定しないコミュニケーションスキルと心の中のザル、この両方を使い、みなさんが多くの人と心地よい関係を築けることを願っています。
林健太郎(エグゼクティブ・コ-チ)