【月間MVPインタビュー】アルコ神戸・佐藤麻陽がホーム2戦でクリーンシート!「上位リーグは全部勝って、日本一に」“お母さん”守護神が見せる背中|女子Fリーグ
妊娠・出産を経て日本代表を目指す意味
──フットサルを始める前は、INAC神戸でプレーしていたのですね。 そうです。神戸FCというチームでサッカーをしていて、その時の監督がアイナックを立ち上げたので、中学2年から所属していました。その時はまだ関西リーグのチームでしたが、そこからカテゴリーが上がり、当時のトップリーグだったLリーグまできました。私も少しだけLリーガーとして登録してもらいましたが、試合には出られずにサッカーは引退しています。 その後に、アイナックの先輩で今はアルコ神戸代表の小村(美聡)がフットサルに誘ってくれたので競技を始めました。3、4年アルコにいて、結婚して三重に行きました。 ──三重では東海リーグの「member of the gang」でプレーしていました。 ギャングは本当に家族みたいで、365日のうち300日くらい一緒にいた気がします(笑)。いろいろなことを乗り越えながら、フットサルのことを真剣に考えてプレーできるのがすごく楽しくて、新しいフットサルの形も教えてもらいました。結婚してフットサルをやめる選択肢もありましたが、今も現役を続けているのは間違いなくギャングがあったからだと思っていますし、感謝しかありません。 ──いつからトップリーグや日本代表を意識するようになったのでしょうか? フットサルを始めてから、すぐに日本代表に呼んでもらいました。ただ、チームが強かったから選ばれていると感じていて、自分の力で選出された感覚はありませんでした。 その後、ギャングでプレーしていて、このままの自分のレベルだとチームを勝たせることができないと思った時に「もっとうまくなりたい」と。その時に、日本代表GKコーチを務める内山慶太郎さんがスクールをしていることを知って通い始めました。そこでたくさんのGKコーチに出会い、練習していくなかで「私、まだうまくなれるな」と、年齢に関係なく感じました。そこからはとにかく練習が楽しくて、もっとやりたいという気持ちでここまで。 今も関東で試合があった時は、内山さんのパーソナルトレーニングを受けています。なにかあれば相談に乗ってもらいますし、今もいろいろなことを教えてもらっています。 ──その後、妊娠・出産で競技から離れていますよね? そうですね、妊娠した時はギャングでプレーしていました。その時はすぐに競技復帰できるように体力や筋力を維持するように心がけていて、出産した後すぐにできるお腹を絞める筋トレのようなものもしていました(笑)。子どもを抱っこしながらスクワットしたり、ずっと競技復帰を意識していて、3月に出産して、7月の地域リーグには出ていましたね。 ──すごいスピード復帰ですね。 そう思います(笑)。復帰してから、結婚、妊娠・出産した後に私が日本代表に戻ることができたら、ライフステージが変わってもフットサルを続けてくれる人が増えるんじゃないかなという気持ちが出てきました。結婚したら引退とか、女子は選手生命が短いとかではなく、大変だし周りの協力も必要だけど、みんなまだまだ長いことプレーできるよと伝えたいし、広告塔のような存在になれたらなという意識で競技を続けています。 ──今も日本代表を目指していますよね。 はい、去年の春には候補合宿に呼んでもらいましたし、GKは若さだけが武器ではないなと思っています。もちろん体も鍛えていますし、自分が安定したパフォーマンスを出し続けることは大前提で、若い選手とは違う立ち位置の選手として選んでもらえるように、日々努力しています。
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