【ジャパンC】シンエンペラー成長着実 海外遠征経て確かな収穫アリ 枠も「真ん中でいい枠」
「ジャパンC・G1」(24日、東京) この秋一番と言っていい注目の一戦。オーギュストロダンやゴリアットなど3頭の強力な海外勢を迎え撃つのが、天皇賞・秋を圧勝したドウデュースや今年の2冠牝馬チェルヴィニアなどトップクラスの日本馬たち。凱旋門賞12着から帰国初戦となる3歳牡馬のシンエンペラーも、G1の大舞台で巻き返しを狙う。 3歳にして海外遠征2戦を経験してきたシンエンペラー。今年、唯一の日本調教馬として臨んだ凱旋門賞は、過酷な馬場での直線勝負で伸び切れずに12着。凱旋門賞馬ソットサスの全弟として期待を集めていただけに悔しい結果に終わった。 ただ、収穫がなかったわけではない。海外初挑戦となった2走前の愛チャンピオンS。「まだ良化途上だった」と、渡欧前の状態を吉田助手が明かすように、万全の仕上がりではない中でも、オーギュストロダン(2着)に0秒2差まで詰め寄った。一度後方へと沈んだように見えたが、進路を切り替えてから再び根性を見せて力強く伸びた。「あそこまでよく来てくれた」と、同助手は能力の高さを評価する。 今回は凱旋門賞→ジャパンCとタイトなローテーションにはなる。「放牧から帰ってきた時の状態がとても良かったんですよね。息ができていて、すぐに乗り込みを開始できました。最終追い切りも良かったですね」と強調する。短期間でできることをしっかり積み重ねてきた。「馬っぷりはだいぶ良くなってきていますし、少し精神的にも落ち着きが出てきています」と着実に成長曲線を描いている。 舞台は今年のダービーで3着に善戦した府中の2400メートル。吉田助手は「左回りはいいですし、長く脚を使うタイプで直線が長いこのコースは合うと思う。このメンバーでどこまでやれるのか楽しみ」と力強く口にする。5枠7番からのスタートとなるが、荒木助手は「奇数、偶数は関係ないと思っていましたし、真ん中でいい枠だと思います。あとは相手の出方次第ですね」と歓迎ムード。“世界”を知るシンエンペラーが強豪相手に堂々と駆け抜ける。