住宅ローン「変動」「固定」どっちが得?大手銀行も17年ぶり引き上げで家計負担増…物件価格は下がる?
■金利上昇で不動産価格に変化は?
一方で、金利が上昇する中、不動産価格の動向も注目されている。 不動産経済研究所によれば、今年8月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)で発売された新築マンションの平均価格は9532万円で、前年同月比32.5%の上昇を見せている。 実際に都内のモデルルームを訪れてみた。東京都板橋区に建設予定の地上26階建てのタワーマンションは、現在第2期の販売が進んでおり、価格が9800万円から1億2500万円と高額ながらも堅調な売れ行きを見せているという。
都心は1億円を超えても売れる。住友不動産の営業部の渡邊健太郎主任は「駅に近いマンションは非常に引き合いが多く、用地取得や建築費の上昇で供給戸数は減少しているが、都心のニーズは高く、価格も上昇しています。利便性を求めるパワーカップルの需要が続いているため、供給が減少する中でも価格が下がる兆しは見えません」と話す。 一般的には、金利が上昇すると不動産価格は下がる傾向があるが、首都圏のマンションなどは、供給不足から引き続き強気の価格が続くと見られている。塩澤氏は「不動産と金利は密接に関連しており、金利が1%上昇すると不動産価格が20%下落するとも言われています。 ただし、都心の不動産は利便性と希少性が高いため、金利が段階的に上昇しても価格は高止まりする可能性があります。一方で、郊外の不動産は金利上昇による影響を受けやすく、価格が下落する可能性があります」と指摘している。 住宅ローンの金利や不動産価格の変動は、今後の経済情勢に大きく左右されるが、金利のある世界に戻ったいま、購入を検討している人にとっては慎重な計画が重要になってくる。