「糖尿病」治療でインスリン注射が不要な未来へ iPS細胞を用いた治験を開始
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: 京都大学医学部附属病院の研究グループが発表した内容への受け止めを教えてください。 中路先生: 本研究が実用化されれば、1型糖尿病患者に対するインスリンの注射回数が減り、場合によってはインスリン注射フリーな状態となり、患者のQOLの向上につながる可能性があります。また、現在おこなわれている、重症患者へのすい島細胞移植のドナー不足の問題の解決につながることも期待されます。今後の課題として、移植後のすい島細胞シートの体内での長期的な安全性の検討が必要と思われます。
編集部まとめ
京都大学医学部附属病院の研究グループは、1型糖尿病の治療について、iPS細胞を用いた治験を始める方針を公表しました。アメリカでは「バーテックス」という企業が、人の幹細胞から作ったすい島細胞を用いた治験を実施しており、2024年6月には投与された患者12人全てで細胞が定着し、インスリンが出ているのを確認したと発表しています。今回の治験の結果にも大きな注目が集まりそうです。
監修医師:
中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。