「来るなら来い」レモンポップを信じ、有終の美に導いた坂井騎手の手綱さばきに感服。急襲ハナ差2着ウィルソンテソーロ陣営は王者の強さに脱帽【チャンピオンズカップ】
上位5頭は”内枠”が独占する結果に
道中、ぴたりと内ラチ沿いを進んでいたドゥラエレーデがインから急襲して3着。4着にはしぶとく差を詰めたハギノアレグリアス(牡7歳/栗東・四位洋文厩舎)が入り、積極的にレモンポップを追いかけたペプチドナイルは粘ったものの5着に終わった。 また、武豊騎手の騎乗で人気を集めたサンライズジパングは追い込み切れずに6着となり、スタートで後手を踏んだうえに、大外枠から位置を取りに行く苦しいレースを強いられたガイアフォースは直線入り口で力尽きてブービーの15着に大敗した。 そして結果を見ると、内枠有利(特に逃げ・先行馬)と言われる中京のダート1800mの伝に沿い、1~5着馬が内の4番枠までの馬に占められることとなった。 「なるべくロスなく行きたいと思っていたので、(逃げを)主張していって、来るなら来いという感じで、去年と同じイメージで乗った」とは、レモンポップとのコンビでGⅠ(JpnⅠ)6勝を挙げた坂井瑠星騎手。「ここ2戦で無かった最後の”ひと脚”(を必要とする場面)があったので、これで差されたら仕方ないと思ったが、最後(に競り勝ったの)は馬の力だと思う」と感慨深げに振り返った。 それにしても、国内のGⅠ(JpnⅠ)を6戦全勝という成績は見事のひと言。本来の距離適性がマイラー寄りと思われ、ピークアウトの段階に入りつつあるなかでのこの勝利は、絶対能力の高さをあらためて示すもの。ダート戦線の拡充が図られるなか、種牡馬としてのラブコールも一層大きくなることだろう。第二の馬生での成功に期待したい。 手綱をとった川田将雅騎手の「着差はわずかですが、チャンピオンは最後までチャンピオンでした」というコメントはあったものの、昨年は1馬身1/4あった差をハナ差まで詰めたウィルソンテソーロの切れ味も立派としか言いようがない。来年は彼を中心にダート戦線が展開することは間違いないだろう。 ドゥラエレーデは、距離のロスを極力避けながら、直線でも1頭分あいた内ラチ沿いのスペースを突いたライアン・ムーア騎手の好騎乗が強烈なインパクトを与えた。馬の出来の良さもさることながら、二桁着順が二度続いていて人気を落としていた実績馬をよみがえらせた腕に唸らされた。