フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
中間加速
20-40mph(32-64km/h):3.0秒(2速)/4.0秒(3速) 30-50(48-80):4.0秒(3速)/5.5秒(4速) 40-60(64-97):4.5秒(3速)/5.5秒(4速)/7.5秒(5速)/10.3秒(6速) 50-70(80-113):5.7秒(4速)/8.0秒(5速)/10.6秒(6速)/15.9秒(7速) 60-80(97-129):6.9秒(4速)/8.5秒(5速)/11.4秒(6速)/17.1秒(7速) 70-90(113-145):9.7秒(5速)/12.8秒(6速)/20.6秒(7速) 80-100(129-161):12.3秒(5速)/14.7秒(6速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温14℃ 30-0マイル/時(48km/h):8.8m 50-0マイル/時(64km/h):24.1m 70-0マイル/時(80km/h):46.0m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.58秒 ■ライバルの制動距離 日産キャシュカイ1.3DIG-T MHEV 158テクナ(2021年) テスト条件:乾燥路面/気温21℃ 00-0マイル/時(48km/h):8.5m 50-0マイル/時(64km/h):23.6m 70-0マイル/時(80km/h):47.3m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
ティグアンは、競合がハイブリッドに絞り込んだり4WDを用意しなかったりするのに対し、エンジンやドライブトレイン、サスペンションの仕様を多数用意して、幅広いユーザー層を満足させる選択肢を用意することで、商業的成功を実現する。 前輪駆動とマイルドハイブリッドを組み合わせたスポーティグレードのR-ラインは、ティグアンの売れ筋仕様にはならないだろう。しかし、ディーゼルのほうが万能性は高いだろうし、PHEVのほうが高性能だとしても、マイルドハイブリッドのeTSIは英国で多く売れるだろう。そして、ウォルフスブルグのクルマに期待するような、穏やかかつ精密で、まとまりのある、走りの安心感と一貫性をもたらしてくれるはずだ。 直接的な競合車と比較すれば、ティグアンはSUVらしい実用性や万能性を十分に備えていると言える。今回のテスト車に限れば、パフォーマンスやドライバビリティ、上質感も他に引けを取らないが、乗り心地は改善の余地がある。 群雄割拠するこのマーケットには、もっとブランド力やルックスに勝るものもある。そんな中でこのティグアンは、合理的で賢明な資質に強みを見出せるクルマであるはずだ。もっと道具に徹して、配慮が行き届いているに越したことはない。 ■担当テスターのアドバイス ◆マット・ソーンダース ブラックスタイリングパッケージ付きのR-ラインは、個人的にはまず選ばないだろう仕様である。無駄は省いたほうがいいという主義に反するからだ。ホイールは小さく、デジタル装備やADASは少ないほうがありがたい。アダプティブダンパーもいらないかもしれない。 ◆イリヤ・バプラート フォルクスワーゲンの新型マルチメディアシステムは、大きな飛躍を遂げた。とはいえ、同じシステムに多機能実体コントロールを組み合わせたスコダ・コディアックに乗ったあとだと、フォルクスワーゲンのそれにはなにか足りないと感じずにはいられない。 ■オプション追加のアドバイス 高額グレードや大径ホイールは避けて、デジタル装備はお好みで追加しよう。燃費を考えるなら、eハイブリッドかディーゼルを選びたい。 ■改善してほしいポイント ・キャビンにはシンプルで手触りのいいマテリアルを。アンビエントライトは、控えめにしてほしい。 ・20インチホイールを履くR-ラインは乗り心地の静粛性に改善の余地あり。スポーティなテイスト自体は、それほど非難するべきものではない。 ・マイルドハイブリッドのeTSI 150と、PHEVのeハイブリッドとのギャップを埋めるフルハイブリッドの設定を検討してもらいたい。
マット・ソーンダース(執筆) イリヤ・バプラート(執筆) マックス・エドレストン(撮影) 関耕一郎(翻訳)