夜泣きでつらい友人へ「ベビーシッターしようか?」と申し出たら… マンガ夜廻り猫
出産した友人と久しぶりに会ったら、赤ちゃんの夜泣きで疲れていて――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、〝友達との関係〟にまつわるエピソードです。 【マンガ本編】夜泣きでつらい友人へ…「親切なこと言ってあげた気になってた」
「おまいさんも許してやれるかい?」
きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。女性の涙の匂いに気づき、理由を尋ねました。 子どもを産んだ女性と久しぶりに会えた女性。赤ちゃんの夜泣きで疲れ果てている友人を見て、気軽に「ベビーシッターしようか?」と持ちかけました。 「半日でも一日でも赤ちゃん預かるよ。寝るんでもいいし、やりたいことすれば?」 すると友人は「ムリだよ」「事故でもあったら取り返しつかないでしょ」と返答してきたのでした。 女性はしばらく考えてから、自分が失礼なことを言ったと気づき、「親切なこと言ってあげた気になってた」「許してもらえるかな」と悩みます。 遠藤は「おまいさんも許してやれるかい?好意をむげに断った友達を」と尋ねます。 女性は「私が!?もちろん!好きだもん」とすぐに応じます。 友人もその頃、女性にメッセージを送ろうかどうか、打っては消し、打っては消し、思案しているところなのでした。
好意で言ったはずが、失言だった経験
作者の深谷かほるさんは、「好意で言ったはずが失言だった…という失敗、ありませんか?私はよくあります」と語ります。 「後で考えて、自分の理解が足りなかったとか、言葉選びを間違えたとか思うわけですが、何年も考えてやっとわかることもあります。そうして、『相手の怒りもわかるけれど、自分には難し過ぎたな』と自分のことを許せる気持ちになったりもします」といいます。 「言葉は本当に功罪が大きい。うまくいかないことがあっても、なんとかなりますように」とエールを送っています。 【マンガ「夜廻り猫」】 猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。 泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。 そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。ツイッター上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。 ◇ 深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本11巻(講談社)が2024年12月23日に発売予定。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が11月22日に発売。