元箱根ランナーが読み解く、ランニング市場の“今”
それでも、「ナイキ」の支持は厚い。今年の区間賞は10人中7人が「ナイキ」のシューズを着用し、最新作“アルファフライ 3”のほか、過去モデルの着用者もいた。
スポーツメーカー新たな打ち手 メーカー各社は、ランナーの購買意欲を刺激する“体験づくり”も重視している。「ナイキ」は昨年12月、皇居に近い銀座エリアに、ラン拠点も備えた旗艦店「ナイキ 銀座」をオープン。アプリ会員を対象にしたランニング教室やイベント、シューズの試し履きなどを実施している。「アディダス」は昨年から、ミニレース「東京シティーラン」を開催。昨年は5kmと10kmの2コースを用意し、約450人が参加した。今年は1800人まで参加枠を広げた。「ニューバランス」は22年に、2週間限定のサウナ付きランニングステーションを企画。ラン後にサウナで汗を流し、“ととのう”までの体験をパッケージ化した。「ホカ」は2月22日に、明治神宮前交差点に直営店をオープン。1階を物販、2階をコミュニティースペースと位置付けて、ランイベントの拠点などに活用する。すぐに実売に貢献するのか、未知数の施策も多い。それでも、スポーツメーカーが足を止めずにチャレンジするからこそ、ランニング市場の活況は続くのだろう。