カラオケガチ勢 vs 新導入"AI採点システム"の熱き戦い。歌のうまさとは!? それまでは高得点をたたき出していたのに......(涙)
こうした数度のリニューアルを経て、登場したのが「精密採点Ai」なのだ。 前述のとおり、最初の「精密採点」が登場したのは03年。そのときには「音程」「しゃくり」「ビブラート」が採点ポイントになっていた。 続く07年の「精密採点Ⅱ」ではガイドメロディが歌唱中も表示され、よりわかりやすい形に進化。ロングトーン、ビブラートのうまさといった表現も加点対象になった。 さらに10年「精密採点DX」、15年「精密採点DX-G」とバージョンアップを重ね、19年「精密採点Ai」で"Ai感性メーター"が登場した。 「精密採点Ai」の新しい特徴とは何か。〈膨大な歌唱データを機械学習することで生まれた「Ai感性」が、人の感情を揺さぶる歌声を検出して得点化。歌のテクニックだけでなく表現力まで理解できる〉という。 人の感情に訴えかける歌い手の表現力まで採点対象にしてくれるとは心憎い。 だが、自称・カラオケガチ勢のY寺は「『精密採点DX』や『DX-G』でとことん高得点が出るように研究したが、『精密採点Ai』では、まったく"Ai感性ボーナス"(後述)がつかない。おかしい」と言い張ってきかないのだ。これまで「高得点を出すよね」と言われ、培ってきた夜の信頼も揺らいでいるのだろう。 「"精密採点"をXで検索すると、100点を連発している猛者が出てきます。中にはイコライザーを使ったり、音程の取りやすい母音だけで歌ってでも、100点を出したい精密採点ガチ勢が存在する。そのことは開発者もわかっていると思うので、より正当な評価ができるように、イタチごっこの開発がされているわけですが......」 もしやY寺も、"禁じ手"を......? 「いや、僕はそこまではやりませんよ」 目をそらすのが、なんだか怪しい。 「とにかく、直接、開発者に話を聞きたい」 普段の仕事ではなかなか見られない、Y寺の真剣なまなざし――とうとうわれわれは開発者に会うために、第一興商を訪れた。