ECBによる12月の0.75ポイント利下げに賭け-当たれば投資額の10倍
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)が来月大幅な利下げを実施することに賭けたトレーダーがいる。ドナルド・トランプ氏が次期米大統領となり共和党が米連邦議会の上下両院で多数派となったことで、そのシナリオが現実味を帯びてきた。
金利先物オプションを使った賭けでは、ECBが12月に中銀預金金利を0.75ポイント引き下げるか、0.5ポイント引き下げて来年1月にさらに利下げをすることを示唆した場合に、初期投資額の10倍に相当する625万ユーロ(約10億2700万円)が支払われることになる。取引について知るトレーダーが明らかにした。
短期金融市場はすでに来月の0.25ポイント利下げを織り込んでおり、先週の米大統領選挙以来、0.5ポイントの大幅利下げの確率は25%に上昇している。
トランプ次期米大統領が欧州からの輸出品に関税をかける可能性があるためで、ECB政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行総裁はこの動きがドイツ経済を脱線させるリスクがあると警告している。
トランプ氏の関税策、導入ならドイツGDPは1%減も-独連銀総裁
欧州でのより速く、より大幅な利下げを予想する傾向は、10月の民間部門の活動停滞をきっかけに、トランプ氏の勝利の前から生じていた。欧州最大の経済大国であるドイツも、投資家信頼感の悪化と連立政権の崩壊に直面している。
ECBのブログ投稿によれば、バランスシート圧縮による借り入れコスト上昇も中銀に利下げを迫る圧力を生じさせる可能性がある。債券保有のさらなる削減には、さらなる利下げという形でのトレードオフが必要になるという一部の主張の追い風となるかもしれない。
原題:Trader Bets on 75-Basis-Point ECB Cut Next Month for Tenfold Win(抜粋)
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James Hirai