東海大大阪仰星、3大会ぶりの全国制覇ならず 吉田琉生共同主将「最後まで戦い抜いたことは最高の財産」
第104回全国高校ラグビー決勝(7日、桐蔭学園40-17東海大大阪仰星、花園)東海大大阪仰星(大阪第2)は桐蔭学園(神奈川)に敗れ、3大会ぶり7度目の全国制覇はならなかった。後半4分にSO吉田琉生(るい)共同主将(3年)のトライで一時5点差まで迫ったが、4連続トライを奪われて突き放され、最後の粘りも届かなかった。桐蔭学園は2大会連続5度目の優勝を果たした。 終盤、意地の2トライも遅かった。ノーサイドの瞬間、東海大大阪仰星の選手たちは肩を落とした。23点差をつけられ、3大会ぶり7度目のVならず。それでも、SO吉田共同主将の表情は誇らしげだった。 「悔しい気持ちはあるのですが、最後まで戦い抜いたことは自分にとって最高の財産です」 縦横無尽に攻め込んでくる前回王者に翻弄された。前半は2トライを奪われ、12点をリードされた。後半9分に相手FWにラインアウトからのモールを自陣インゴールまで約30メートル押し込まれ、3本目のトライを許す。21分までにさらに3連続トライを奪われ、33点の大差をつけられた。 だが、「スタンドで仲間がどんなときも声をかけ続けてくれ、胸に響いた。負けるつもりは最後の1分1秒までなかった」(FL青野寛大共同主将)とあきらめることなく反撃。25分、30分とFW、バックスが一体となって必死にパスをつなぎ、2トライを返してみせた。 試合を通しては、吉田共同主将が後半4分に相手ゴール前で得た反則から「前が空いていた」と素早く速攻を仕掛け、トライを奪うなど相手のスキを見逃さない〝らしさ〟も発揮した。 今季のチームは競技として日本一、クラブとしては「染める」を目標に活動してきた。全国優勝は果たせなかったが、この日のバックスタンドの一画はメンバー外の部員のほか、多くの在校生らが詰めかけて大声援を送り、〝仰星カラー〟に染まった。 「やってきたことは無駄ではなかった。クラブ目標の『染める』は達成できたと思う」 青野共同主将は充実感を漂わせた。この悔しさは後輩たちが必ず晴らしてくれるはずだ。(月僧正弥)