「手足のしびれ」は更年期症状?それとも隠れた重病の危険信号!? 脳や脊髄の病気のサインなケースもあるから注意!しびれの見極め方とは
更年期になると、手や足、唇などがしびれやすくなることがあります。 しびれは閉経前後の女性によくある症状ですが、重篤な病気のサインであることもあるため、更年期として片づけるのはちょっと危険かも! 【 表 】更年期におすすめな11種類の漢方薬 そう話すのは、漢方製剤の研究開発を手掛けている碇純子さんです。 今回は「更年期のしびれ」について、見極め方と対処法を教えていただきます。
Q.最近手や唇などがしびれることがあります。これは更年期の症状ですか?
【A】 手や唇のしびれ、つらいですよね。 おっしゃる通り、更年期症状のひとつにしびれがあります。 一般的に、閉経を挟んだ10年間を更年期といいますが、更年期にはさまざまな不調があらわれます。 これは、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少することにより、自律神経のコントロールがうまくいかなくなるのがひとつの理由で、しびれは自律神経が不調になり、血流が滞ることで起こります。 しかし、しびれが起こる理由はこれだけではありません。 更年期以外に別の原因が隠れている場合もあるのです。
Q.しびれの原因として、考えられる病気は他にもありますか?
【A】 しびれは、大きく分けて「脳」「脊髄」「末梢神経」「その他」の4つの原因が考えられます。 たとえば、脳なら脳梗塞、脳出血、脳腫瘍といった病気の可能性があるのです。 そして、その発症率には男女差があります。 末梢神経の病気である「手根管症候群」は女性に多いといわれています。手根管症候群は、手首から手のひらを通っている正中神経が圧迫されることにより起こり、指の曲げ伸ばしでしびれを感じる病気です。 また、「膠原病」も女性に多い病気で、患者の8割が女性といわれています。膠原病は免疫システムのトラブルが起こる病気で、しびれはその症状のうちのひとつです。
Q.しびれの原因を見極めるにはどうしたらいいですか?
【A】 しびれが起きている部位によって、その原因はある程度判断できます。 たとえば、手だけでなく足もしびれる場合は「糖尿病」の可能性が、首を左右に倒すと症状が悪くなる場合は首の病気が疑われます。 しかし、しびれの原因は多岐にわたり、治療が遅れて悪化する場合もあるので、自己判断で済ませるのは危険です。まずは医療機関を受診し、診察や検査を受けましょう。内科を受診し、その後は医師の指示に従ってください。 ただし、前触れなくいきなり強いしびれ症状が見られる場合は別です。脳の病気が疑われるので、なるべく早いうちに救急外来や脳外科を受診してください。 つづきの【後編】では、しびれが更年期症状だったときの対処法についてお伺いします。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 碇 純子