「原子」と「元素」は何が違うんだっけ…?大人も意外と知らない「決定的な違い」
「原子」と「元素」は何が違う?
これまでずっと「原子」という言葉を使ってきましたが、周期表では「元素」という言葉を使います。実は、同じ水素や酸素の中にも兄弟のような原子がいる場合があります。 佐藤さんに兄弟がいたとすると、同じ佐藤さんでも、見た目や性格はちょっと違いますよね。兄弟の関係にある原子は、陽子と電子の数は同じですが、中性子の数が異なります。電子の数が同じなら化学的性質は同じですが、中性子の数が異なれば物理的性質が違ってくるので、違う原子です。原子といった場合、その兄弟は厳密に分けて考えるのですが、元素という場合には、同じ家族の一員とみなします。 ここでまた、おさらいをしましょう。原子をより細かくして、素粒子にまで分けてしまうと、もう原子の性質はまったく無関係になります。例えば、水素原子から取り出したものであろうが、酸素原子からのものであろうが、電子は電子。見た目も性質も変わらない素粒子になってしまいます。こうなってしまうと、私たちになじみのある性質はなくなり、日常生活での感覚からは遠くなります。 * * * さらに「宇宙と物質の起源」シリーズの連載記事では、最新研究にもとづくスリリングな宇宙論をお届けする。
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所